医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2004年4月30日
選択の視点【No.20】

今回は、最高裁判所のホームページで紹介された最高裁判所判決の中から、都立病院における誤薬投与による死亡事故に関連して、院長に医師法上の警察への届出義務違反という刑事責任(有罪)を認めた判決をご紹介します。事案内容については、一審、二審の判決も参照しました。 この死亡事故については、刑事上も民事上も多...

2004年4月30日
No.20「看護師の誤薬投与による死亡事故。医師法上の警察への届出義務は合憲として、都立病院院長に対する医師法違反の有罪判決を最高裁も維持」

平成16年4月13日最高裁判所第三法廷判決(医師法違反、虚偽有印公文書作成、同行使被告事件) (争点) 医師法21条は、当該死体が自己の診療していた患者のものであるときにも、適用されるか 死体を検案して異常を認めた医師が、その死因等につき診療行為における業務上過失致死等の罪責を問われるおそれがある場...

2004年3月30日
選択の視点【No.18、19】

今回は、最高裁判所のホームページに紹介された高等裁判所判決の中から、一審(地方裁判所)での患者側敗訴判決が変更されて、 患者側の請求が一部認められたものを選びました。 このうち、No.19の札幌高等裁判所の判決は、ニュースなどでも話題になりましたが、この判決の中で、「除斥期間」という普段馴染みのない...

2004年3月30日
No.19 「B型肝炎罹患原因が集団予防接種との高裁判断。国に対する慰謝料請求認容」

平成16年1月16日札幌高等裁判所判決 (争点) B型肝炎感染と本件各集団予防接種との因果関係 国の予見可能性 国の結果回避義務 損害 民法724条後段の法的性質 (事案) ABCDE(このうちDは訴訟中に死亡し、相続人である妻と子2人が訴訟を承継)は、幼少時に国の実施した予防接種を受けた。 その後...

2004年3月30日
No.18 「不妊治療薬の副作用から脳梗塞、高裁で医師の過失を認定」

平成15年6月27日広島高等裁判所(損害賠償請求控訴事件) (争点) HCG製剤を追加使用したことが過失にあたるか 医師に検査を十分にしなかった過失があるか 平成7年4月3日時点で入院治療をしなかったことが過失にあたるか (事案) 本件患者(医療事故当時32歳の主婦)は、Aの設置・経営する社会保険A...

2004年2月27日
選択の視点【No.16、17】

(1)最高裁判所のホームページで紹介されている判決から、今回は「死亡した癌患者の延命の可能性」が争点となっている最高裁判決と高等裁判所判決を選びました。 (2)前回ご紹介したNo.14の最高裁判決と、今回ご紹介するNo.17の最高裁判決の両方が、平成12年9月22日の最高裁判決を引用しています。そこ...

2004年2月27日
No.17「スキルス胃癌死亡患者について、内視鏡検査を実施した医師が適切な再検査を行えば、延命の相当程度の可能性があったと判断。最高裁が1,2審判決を破棄」

平成16年1月15日 最高裁判所第一小法廷判決 (争点) 本件検査時点でスキルス胃癌との診断がされ、これに対する化学療法が開始されていたとすれば、患者が死亡した時点においてなお生存していた「相当程度の可能性」があったか (事案) 患者A(昭和43年生まれの女性)は、平成11年6月30日及び同年7月1...

2004年2月27日
No.16「肺癌確定診断のための検査を怠った県立がんセンター担当医師と県に対し、癌死亡患者の延命の可能性を奪ったことの責任を認めた一審判決を高裁も維持」

平成15年11月5日 名古屋高等裁判所判決 (争点) 平成6年9月の段階でA医師が肺癌と診断せず、経過観察にしたことに過失があったか 平成7年2月の段階でA医師が再度の気管支鏡検査や開胸肺生検等の検査をせずに経過観察としたことに過失があったか 上記1,2の段階でA医師に説明義務違反があったか A医師...

2004年1月28日
選択の視点【No.14、15】

今回は、最高裁判所のホームページで紹介された、最高裁判所の判決(上告審判決)からご紹介します。 一審、控訴審と異なり、上告審では控訴審の原判決が適法に認定した事実を前提として、控訴審の法律判断について審理します。 最高裁判所が上告審となるのが原則ですが、この場合、上告理由は憲法違反や重大な手続法違反...

2004年1月28日
No.15 「気管内挿管の抜管後の気道確保について医師の過失を認定。高裁判決を破棄」

平成15年11月14日 最高裁判所第二小法廷判決 (争点) 担当医師に気管内挿管の抜管後、胸くうドレーンの逆流が生じた時点で再挿管などの気道確保のための適切な処置をとるべき注意義務を怠った過失があったか (事案) 患者Bは被上告人が開設した本件病院Aで食道がんの診断を受け、平成6年12月12日から1...

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