医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2004年8月25日
No.29「昭和49年12月に出生した未熟児が未熟児網膜症に罹患。最高裁判所で破棄差し戻しされた結果、当時の医療水準を前提として、医療機関の注意義務違反を認める高裁判決」

大阪高裁平成9年12月4日判決(判例時報1637号34頁) (争点) 未熟児網膜症の治療法としての光凝固法の有効性、安全性 医療機関に要求される注意義務としての医療水準 光凝固法に関する知見は、昭和49年当時のY病院に要求される注意義務としての医療水準であったか Y病院に注意義務違反があったかどうか...

2004年8月25日
No.28「未熟児網膜症に関する最高裁判決。医療水準についての判断基準を示す」

最高裁第二小法廷平成7年6月9日判決(判例時報1537号3頁) (争点) 診療契約上の注意義務の基準 新規の治療法が医療水準になるための判断基準 医療水準になっている新規治療法に関する医療機関の義務 本件における控訴審の判断の誤り (事案) Xは、昭和49年12月11日午後2時8分、H市内の病院にお...

2004年7月27日
選択の視点【No.26、27】

今回は、客観的にみて診断に誤りがあった事案で、「診療契約における債務不履行」責任が争点となった判例を2件ご紹介します。 訴訟において、ある事柄を証明する責任を原告側が負うのか、それとも被告側が負うのかが、判決を左右することがしばしばあります。 例えば、原告が被告に対して、貸したお金を返してほしいとい...

2004年7月27日
No.27「夜間救急患者につき、検査せず心筋梗塞を肝臓疾患と誤診し患者死亡。診療契約上の債務不履行責任を高裁が認定。遺族が逆転勝訴」

平成2年4月27日大阪高等裁判所損害賠償請求控訴事件(判例時報1391号147頁) (争点) 誤診が債務不履行となるか 本件における誤診が債務不履行に該当するか 債務不履行と死亡との因果関係 (事案) 昭和55年10月29日午後10時30分頃、患者A(男性、当時31才)が自宅において急に苦痛を訴えた...

2004年7月27日
No.26「外頸動脈海綿静脈洞瘻を内頸動脈海綿静脈洞瘻と診断して行った手術について、当時の医療水準上、医師に注意義務違反なしとの判決」

昭和60年6月10日大阪地方裁判所 損害賠償請求事件(判例タイムズ594号92頁) (争点) 診療契約における債務不履行責任の主張立証責任 診療契約上の注意義務違反(過失)の判断基準 昭和46年6月28日当時の頸動脈海綿静脈洞瘻という疾患についての日本の医療水準 上記3の医療水準に基づく、本件医師ら...

2004年6月29日
選択の視点【No.23、24、25】

今回は、医師の過失について刑事責任が問われた裁判の判決を紹介します。 このうち、No.25(市立大学付属病院での患者取り違え事件)は、複数の看護師・医師の注意義務違反が重なって(「過失の競合」といいます)、患者が取り違えられたままそれぞれに誤った手術がなされるという結果が生じました。 そして起訴され...

2004年6月29日
No.25「市立大学付属病院での患者取り違え事件」

平成13年9月20日横浜地方裁判所判決(業務上過失傷害被告事件) (争点) 看護師D、Eの注意義務違反の有無 執刀医A、Bの注意義務違反の有無 麻酔科研修医C、麻酔科医Fの注意義務違反の有無 量刑 (事案) (1)手術室交換ホールでの患者の取り違え 市立大学医学部付属病院(本件病院)において、平成1...

2004年6月29日
No.24「妊娠月数の診断を誤り、危険な中絶手術により患者失血死。医師に有罪判決」

昭和62年6月10日東京地方裁判所判決 (業務上過失致死被告事件) (争点) 産婦人科医が妊娠月数を誤診し、危険な中絶術を選択し、出血多量により患者を死亡させた、業務上過失致死事案における注意義務(過失)の内容 量刑(禁錮1年2月、執行猶予3年)とその理由 (事案) 産婦人科医院を開設している被告人...

2004年6月29日
No.23「頸部硬膜外注射の後、局所麻酔剤反応により患者死亡。救急蘇生措置の過失を認め、医師を罰金刑とした一審の判断を控訴審も維持」

昭和58年2月22日大阪高等裁判所判決(業務上過失致死被告事件) (争点) 局所麻酔剤反応発現に対する予測可能性および発現した場合に適切な蘇生措置を講ずることによる救命可能性 介助看護師に対する事前教示義務違反の有無 救急蘇生措置の事前準備義務違反の有無 局所麻酔剤反応発現後、看護師に適切な指示をし...

2004年5月25日
選択の視点【No.21、22】

今回は、最高裁判所のホームページで紹介された高等裁判所判決の中から、一審(地裁)の判決が変更された判決をご紹介します。No.21の判決については、一審判決も参照しました。 No.21、No.22の両方の判決で共通しているのは、損害賠償額を算定する際に、「過失相殺」の法理が適用あるいは類推適用されて、...

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