医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2007年2月 6日
No.89「人間ドックの便潜血検査で(+)の反応が出たが、病院は再検査等の受診を促さず、その後受診者は癌で死亡。病院の損害賠償責任を認める判決」

東京地方裁判所 平4年10月26日判決(判例時報1469号98頁) (争点) 人間ドック検査における、Y病院の過失の有無 Y病院の過失とAの死亡との因果関係 (事案) 患者A(死亡当時63歳の男性)は、健康保険組合の被保険者として、Y医療法人が開設するY病院において、昭和56年11月27日、昭和57...

2007年2月 6日
No.88「人間ドック検査で癌の疑いがある病変を医師が発見しながら、告知や検査を失念し、その後患者が癌で死亡。延命利益喪失を理由とした慰謝料を患者遺族に支払うよう医師側に命じた判決」

静岡地方裁判所沼津支部 平成2年12月19日判決(判例時報1394号137頁) (争点) 人間ドック検査におけるY2医師の過失の有無 適切な癌の告知と精密検査が行われていた場合のAの延命可能性の有無 (事案) 患者A(大正12年生まれの男性。人間ドック検査時60歳。)は、昭和58年7月6日、7日の両...

2007年1月10日
選択の視点【No.86、87】

今回は、歯科医師の損害賠償責任が認められた判決を2件ご紹介いたします。 歯科医療には、一般医療と比べて、「治療に用いられる材料・材質に選択の余地がある」「保険診療の対象外の治療(自費診療)が多い」「容貌に及ぼす影響が大きい」「復元が困難・不可能な治療が多い」「緊急性に乏しい場合もある」といった特色が...

2007年1月10日
No.87「歯周病治療で歯科医師が患者の24歯全部を大幅に削合。医師の損害賠償責任を認めた判決」

山口地方裁判所平成17年12月22日判決(判例タイムズ1223号240頁) (争点) 説明義務違反の有無 治療の一環として、患者の24歯全部を大幅に削合したことが、不法行為に該当するか (事案) 患者X(昭和24年生まれの女性でブティック経営者)は、Y歯科医師が開設するY歯科医院を平成14年3月1日...

2007年1月10日
No.86「歯科医師のブリッジ(架工義歯)の支台築造に過失が認められた判決」

平成4年5月29日京都地方裁判所判決(判例時報1479号64頁) (争点) ブリッジ補綴治療についての歯科医師の債務不履行の有無 (事案) 患者X(昭和27年生まれの主婦)は、F歯科医院で昭和47年に受けた被冠型ブリッジ(架工義歯)の前装歯2本が変色したため、昭和58年になってY歯科医師の経営するY...

2006年12月18日
選択の視点【No.84、85】

今回は、薬剤投与によって患者がショック状態になった事案に関する判決を2件ご紹介します。 どちらの判決も、医師が患者のアレルギー体質を認識、あるいは認識しえた点を重視しているといえます。 No.84の判決は、腰痛等の治療のため、ビタノイリン、ノイロトロピンを投与したところ、患者がショック状態になり心臓...

2006年12月18日
No.85「インフルエンザの症状を訴えて医師の診察を受けた患者に対し、静脈注射をしたところ、患者がショック状態となって死亡。医師の過失を認め損害賠償責任を認めた判決」

大阪地方裁判所 平成14年1月16日判決(判例時報1797号94頁) (争点) 患者に対し本件注射をしたことについて、医師に過失があるか 医師が、本件ショック症状発見後、患者に対して施した処置について、医師に過失があるといえるか、適切な処置を施していた場合、患者の死は避けられたか 損害額 (事案) ...

2006年12月18日
No.84「腰痛捻挫等の症状のある患者に対し治療のため投薬がなされたところ、ショックを起こして心臓停止に至り、右股関節運動障害の後遺症を負う。投薬をした医師に損害賠償責任を認めた判決」

大阪地方裁判所 平成8年1月29日判決(判例タイムズ910号180頁) (争点) 医師に注意義務違反があるか 後遺障害と医師の注意義務違反との因果関係 損害 (事案) X(昭和18年生まれの男性・A鉄工株式会社の工場長取締役)は平成4年2月27日、会社工場での作業中、腰部を捻り、腰痛による歩行困難に...

2006年11月16日
選択の視点【No.82、83】

今回はチーム医療において医療過誤が生じた場合に、複数の医療関係者の中の誰がどのように刑事責任を負うかが問題となった事案を2件ご紹介します。 両方の判決とも、チーム医療における医師の立場、役割についてのものです。 No.82の判決は、動脈管開存症患者(当時2歳半)の動脈管を大動脈との分岐点で切断する手...

2006年11月16日
No.83「主治医が抗がん剤を過剰投与し患者が死亡。私立大学附属病院の耳鼻咽喉科科長兼教授にも業務上過失致死罪の成立を認めた最高裁判決」

最高裁判所第一小法廷 平成17年11月15日決定(判例時報1916号154頁) (争点) 耳鼻咽喉科科長であり、患者に対する治療方針等の最終的な決定権者であるA医師に、主治医Bの治療計画の適否を具体的に検討し、誤りがあれば直ちにこれを是正すべき注意義務に違反する過失があるか 抗がん剤の使用により、患...

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