医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2007年5月18日
選択の視点【No.94、95】

今回は、市立病院での診療拒否に関する判決を2件ご紹介します。 なお、No.94の判決は、一審判決後、控訴審で和解が成立したとのことです。 医師法19条1項は、「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と規定しています。医師の応招義務を規定し...

2007年5月18日
No.95「市立病院が腰椎骨折患者につき、HIV感染者であることから手術的治療を回避。医学的根拠のない差別的取扱による慰謝料の支払いを市に命じる判決」

甲府地方裁判所平成17年7月26日判決(判例タイムズ1216号217頁) (争点) 腰椎骨折に対して手術的治療を実施しなかったという不作為と後遺障害との間に因果関係があるか 前記1の因果関係が認められない場合に、患者Aの適切な治療を受ける期待権が侵害されたか (事案) 患者Aは、1970年(昭和45...

2007年5月18日
No.94「救命救急センターである市立病院が、交通事故で重傷を負った患者の受け入れを拒否しその後患者が死亡。市に不法行為責任を認めた地裁判決」

神戸地方裁判所平成4年6月30日判決(判例時報1458号127頁) (争点) Y病院が患者Aの診療を拒否したか 診療拒否があったとして、拒否に正当事由が認められるか (事案) Y市が開設しているY病院は、救急告示病院であり、医療法31条以下に規定されている公的医療機関であり、Y市内における救命救急セ...

2007年4月 4日
選択の視点【No.92、93】

今回は手術の際に体内に針やガーゼを残置した事案を2件ご紹介します。 No.92の判決で、「開腹手術にあたる医師は患者の体内に手術に使用する器具を残置することのないよう注意を尽くすべき義務を負う」と判示されているとおり、体内への残置が注意義務違反(過失)に該当することは明らかです。No.93の判決では...

2007年4月 4日
No.93「不妊治療を受けていた患者の子宮筋腫核出術の際、患者の体内にガーゼを残置。その後も3年間不妊治療を継続していた大学病院の責任を認める判決」

東京地方裁判所平成18年9月20日判決 判例時報1952号113頁 (争点) 本件ガーゼ残置による利益侵害の内容 損害 (事案) 患者X(昭和34年生まれの既婚女性)は、平成7年9月19日から、妊娠目的で、Y学校法人が設置経営する大学病院(以下Y病院という)産婦人科への通院を開始した。その後、Xに子...

2007年4月 4日
No.92「帝王切開の際、医師が手術用の縫合針を妊婦の子宮内に残置。大学病院側の責任を認める判決」

東京地方裁判所昭和61年6月10日判決 判例時報1242号67頁 (争点) 本件伏針が、本件手術の際に残置されたものか否か 損害 (事案) 患者X1(昭和11年生まれの女性)は、昭和34年3月8日、K病院で長女を自然分娩し、昭和39年10月2日には、N病院で帝王切開により長男を出産した。 X1は昭和...

2007年3月12日
選択の視点【No.90、91】

今回は、疾患のある人が医療過誤により死亡した場合で、損害賠償の項目のうち、逸失利益が否定された判決を2件ご紹介いたします。 逸失利益とは、その人が生存していれば得たであろう利益のことを指します。 No.90の判決では、患者が肝臓病の療養に専念しており、現実に働いて収入を得る蓋然性を認めることが困難で...

2007年3月12日
No.91「横紋筋肉腫の患者への放射線治療から、患者の脳幹部に放射線障害が発症して死亡。病院の損害賠償責任を認める判決」

横浜地方裁判所平成13年10月31日判決(判例タイムズ1127号212頁) (争点) 医師の過失の有無 因果関係 損害(特に逸失利益・葬儀費用・慰謝料について) (事案) 患者A(死亡当時27歳の女性)は、Y(社会福祉法人)が解説するY病院で鼻孔ないし副鼻孔原発の横紋筋肉腫と診断された。Aの横紋筋肉...

2007年3月12日
No.90「慢性肝炎の患者が併発した食道静脈瘤破裂により死亡。医師の過失を認める判決」

福岡地方裁判所平成7年1月20日判決(判例時報1558号111頁) (争点) Y医師の注意義務違反の有無 肝臓病のため、就労していなかった患者Aについて逸失利益が認められるか否か (事案) 患者Aは、昭和55年12月、F病院において慢性肝炎の診断を受け、同月16日から昭和56年3月12日まで同病院で...

2007年2月 6日
選択の視点【No.88、89】

今回は、人間ドック検査における医師の過失について、損害賠償請求が認容された判決を2件ご紹介いたします。 人間ドック検査などの健康診断に関する訴訟では、医師の診断上の過失がなければ、患者の死を避けられたはずだというところまでの因果関係は立証が難しいため、過失と死亡との因果関係が認められることは非常に少...

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