医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2008年10月15日
No.129「国立病院で出生した新生児が、MRSAに感染し後遺障害を負う。感染を予見し適切な治療を行う義務を怠ったとして病院側に損害賠償を命じた判決」

神戸地方裁判所平成19年6月1日 判例時報1998号77頁 (争点) 患者がMRSAに感染したことに関して病院のMRSA感染予防対策に過失が認められるか 病院のMRSA感染治療に過失が認められるか (事案) 患者Xは、平成5年7月に国の開設していた国立Y病院(現在は独立行政法人国立病院機構Y医療セン...

2008年10月15日
No.128「大腸癌切除手術後、患者がカテーテル感染症になり、約7ヶ月後死亡。患者の死期が早まり平穏の日常生活に復帰できなかったことなどにつき、1200万円の慰謝料を含む損害賠償が認められた判決」

東京地方裁判所平成18年11月22日 判例時報1986号75頁 (争点) IVHカテーテルを早期に抜去すべき義務の有無 病院の担当医師の義務違反と死亡結果との因果関係 損害額 (事案) 患者A(昭和5年生まれのギャラリーを経営する女性)は、平成13年4月24日、同月8日より足元がふらつき、頭痛がある...

2008年9月 5日
選択の視点【No.126、127】

今回は、術後管理が問題となり、病院側の損害賠償義務が認められた判決を2件ご紹介します。) No.126の事案では、患者遺族が受給した遺族(厚生)年金について、「年金の受給者が不法行為によって死亡した場合、その相続人が被害者の死亡を原因として遺族年金の受給権を取得したときは、支給を受けることが確定した...

2008年9月 5日
No.127「患者が心臓弁膜置換手術後に、低酸素脳症を発症し、その後死亡。医師の術後管理につき、止血及び輸血措置、心タンポナーゼに対する検査、処置について心不全発症防止義務違反を認め、国立病院側に慰謝料の支払義務を認めた判決」

大阪地方裁判所平成20年2月27日判決 判例タイムズ1267号246頁 (争点) 遷延性意識障害に至る機序 心不全発症防止義務違反があるか 心不全発症防止義務違反と患者の死亡との間に因果関係があるか (事案) 患者A(当時74歳の女性)は、平成11年12月、○○府立U病院(以下U病院という)に心不全...

2008年9月 5日
No.126「強直性脊椎骨増殖症の患者が頸椎骨切除手術後に反回神経麻痺による声帯閉鎖に起因する呼吸不全により死亡。術後の呼吸状態の経過観察につき医師に注意義務の懈怠があるとして、病院側に損害賠償義務を認めた判決」

名古屋地方裁判所平成19年1月31日 判例時報1992号101頁 (争点) 患者の死因と予見可能性の有無 呼吸管理に関する経過観察義務懈怠の有無 経過観察義務懈怠と結果との間の因果関係の存否 (事案) 患者A(死亡当時71歳の男性)は、平成5年ころ、声帯の手術を受けた際、合併症として左反回神経麻痺を...

2008年8月12日
選択の視点【No.124、125】

今回は、いわゆるガイドラインが訴訟において取り上げられた事案を2件ご紹介します。 No.124の裁判では、原告(患者)側からクモ膜下出血の診断方法について平成13年3月付けの厚生省ガイドラインが証拠として提出されています。判決文で具体的なガイドラインの引用はされていませんが、当時の医学的知見を判断す...

2008年8月12日
No.125「同種末梢血幹細胞移植のドナーが末梢血幹細胞の採取から1年2ヶ月後に死亡。医師と病院経営法人に対する説明義務違反による損害賠償義務は認め、ガイドラインを発表し、フォローアップ事業を展開する学会の監督義務違反を否定した判決」

大阪地方裁判所平成19年9月19日判決 判例タイムズ1262号299頁 (争点) 医師に説明義務違反があるか 学会のガイドライン遵守に関する監督義務違反があるか (事案) 患者A(昭和14年生まれの女性)は、平成13年7月10日、実弟であるBのために同種末梢血管細胞移植(PBSCH)のドナーとなるた...

2008年8月12日
No.124「市立病院医師がクモ膜下出血の警告症状を見落とし、措置が遅れたために患者に重度の後遺障害。初診時に腰椎穿刺を行わなかった過失があるとして市と医師に損害賠償義務を認めた判決」

大阪地方裁判所平成18年2月10日 判例時報1949号76頁 (争点) 患者の初診時における診断内容に係る過失の有無 平成13年8月25日の電話対応に係る過失の有無 (事案) 患者X(平成13年8月当時31才の専業主婦で夫との間に幼い子供が2人いる)は、平成13年8月17日ころから、左眼窩部に針で刺...

2008年7月10日
選択の視点【No.122、123】

今回は,専門医療機関への転送が問題となった判決を2件紹介します。 No.122の判決は、正月の4日の金曜日に急性白血病の患者が受診した事案です。開業医は専門医療機関への転送が必要であると判断をしましたが、検査結果が当日の夜にならないと分からないと思いこんで、午後3時30分頃にFAXされた検査結果に夜...

2008年7月10日
No.123「ギラン・バレー症候群を罹患した患者が航空機で転送後に心停止に陥り、重度の意識障害に。転送時期の判断、転送の際の呼吸管理について転送前の担当医師に過失を認め、病院に損害賠償義務を認めた判決」

福岡地方裁判所平成19年2月1日判決 判例時報1993号63頁 (争点) 転送時期選択についての債務不履行及び過失の有無 転送時の搬送方法、呼吸管理等についての債務不履行及び過失の有無 債務不履行及び過失と患者の後遺症との因果関係の有無 (事案) 患者X(システム開発に従事する当時25歳の男性)は、...

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