医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2009年8月11日
No.149「前医の誤診により、患者を前医から受け継いだ後医の適切な治療が遅れ、肺塞栓症により患者が死亡。前医と後医両方の過失を認めるとともに、それぞれの勤務する病院の開設者に損害賠償を命じた高裁判決」

福岡高等裁判所平成18年7月13日 判例タイムズ1227号303頁 (争点) 患者を移送した病院の医師(前医)に過失が認められるか 患者の移送を受けた病院の医師(後医)に過失が認められるか 前医の過失及び後医の過失それぞれについて患者の死亡という結果との間に因果関係が認められるか 損害を減額すべき事...

2009年8月11日
No.148「交通事故と医療事故が競合して被害者に後遺障害が発生。被害者に損害賠償金を支払った加害者側保険会社の市立病院側に対する求償請求を認めた高裁判決」

福岡高裁宮崎支部平成18年3月29日判決 判例タイムズ1216号206頁 (争点) 医療行為の過失の有無 運転行為と医療行為の共同不法行為の成否 運転者と病院医師らの後遺障害発生に対する寄与度 (事案) X保険会社(以下、X保険)は、平成3年6月、Aとの間で自動車総合保険契約を締結した。Aは、平成4...

2009年7月 3日
選択の視点【No.146、147】

今回は、転送義務違反があったとして病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.146の事案では、日曜日に急性心筋梗塞を発症した患者に対応した日直医の専門病院への転送要請が約70分遅かったことを捉えて過失であるとの判断がなされています。病院側は転送要請するためには血液検査の結果を添えること...

2009年7月 3日
No.147「新生児が敗血症で重度の後遺障害。医師に転院義務違反を認めた地裁判決」

名古屋地裁平成20年7月18日 判例時報2033号45頁 (争点) 医師に、新生児の敗血症の罹患を疑い、転院を行うべき注意義務違反があるか 医師の転院義務違反と新生児の後遺障害との間に因果関係が認められるか (事案) 患者X1(平成14年10月14日生まれの男子)の母X2は妊娠当初から、医療法人Yの...

2009年7月 3日
No.146「休診日に緊急来院した急性心筋梗塞の疑いある患者につき、最善の治療態勢のある他院への転送要請が遅れて患者が死亡。市立病院の医師に転送義務違反を認め、患者の請求を全額認容した地裁判決」

神戸地裁平成19年4月10日 判例時報2031号92頁 (争点) B医師に転送義務違反の過失はあったか 過失と死亡との間に因果関係はあるか (事案) A(昭和13年生まれの男性)は、平成6年2月から、Y市の開設するY市民病院(以下、Y病院)に軽度の肝機能障害、痛風等の治療のため半年に1度ほど通院して...

2009年6月 4日
選択の視点【No.144、145】

今回は、白内障手術に関して、病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.144の事案では、病院側は、患者が睡眠導入剤を病院に無断で服用したことにより、眼内炎の症状を的確に捉えることができず、診断が遅れた可能性があるとして、過失相殺を主張しましたが、裁判所は、患者が睡眠導入剤を服用したこと...

2009年6月 4日
No.145「白内障の手術をした患者に網膜剥離が発症し、視力が回復せず視力矯正も不能に。医師に緊急手術をしなかった過失を認め、患者の損害賠償請求を認めた地裁判決」

東京地裁平成15年5月7日 判例タイムズ1182号289頁 (争点) 白内障手術中に毛様体を損傷した過失の有無 9月2日の外来診療時に網膜剥離を見逃した過失の有無 9月9日に網膜剥離を発見した後、緊急手術を実施しなかった過失の有無 損害 (事案) X(大正9年生まれのリハビリ専門医)は、平成5年2月...

2009年6月 4日
No.144「白内障手術を受けた患者が術後眼内炎に罹患し左眼を失明。医師の過失を認めた地裁判決」

東京地裁平成13年1月29日 判例タイムズ1072号207頁 (争点) Xが左眼を失明したことについて、Y病院に過失があるか 損害(Xに逸失利益が存在するか) (事案) X(大正11年生まれの女性)は、平成8年夏頃から視力の低下が気になり、同年10月18日、Y社会福祉法人が開設するY病院の眼科外来を...

2009年5月 8日
選択の視点【No.142、143】

今回は、患者側が検査や治療を拒否した後に死亡した事案で、遺族から病院側への請求が認められなかった判決を2件ご紹介します。 No.142の事案では、病院側は遺族に対して治療費の請求をしています(判決紹介の中では治療費請求の部分は割愛しています)。そして、遺族からの損害賠償請求の訴えが「本訴」で、病院か...

2009年5月 8日
No.143「医師から癌の告知を受けた患者が、適切な治療を拒否し、その後に死亡。医師にはさらに患者の家族に対してまで癌の告知をする義務はないとした地裁判決」

名古屋地裁平成19年6月14日 判例タイムズ1266号271頁 (争点) Aに対する癌の告知及び治療法等の説明義務違反はあったか 近親者に対する告知義務違反はあったか (事案) A(大正15年生まれの男性)は、平成10年9月11日、頻尿や腰痛を訴え、Y医師が開設・運営するYクリニックを受診した。Y医...

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