医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2011年4月11日
No.189「美容整形のための下顎骨切除手術につき医師の説明義務違反を認め、損害賠償請求を命じた地裁判決」

東京地方裁判所平成13年7月26日判決 判例タイムズ1139号219頁 (争点) 下顎骨を削る手術についての説明義務違反があったか 下顎骨が過大に切除されたか オトガイ神経が損傷されたか (事案) X(手術当時54歳の女性)は、自分の頬の膨らみが気になるようになっていた折、Y医院を開設するY医師が輪...

2011年4月11日
No.188「陰茎にシリコンボールを挿入する美容形成手術を受けた患者に変形の後遺症。術後の包帯の巻き方に関する医師の指導・説明義務違反を認め、患者の請求を一部認めた地裁判決」

東京地方裁判所平成13年7月5日判決 判例タイムズ1089号228頁 (争点) 手術前の説明義務違反はあったか 医師自身が包帯を交換する義務はあったか 包帯の巻き方についての指導・説明義務違反はあったか (事案) Xは、平成11年(以下、同年については省略)1月7日、Y医師が経営するY美容外科に赴き...

2011年3月 9日
選択の視点【No.186、187】

今回は、出産に関連して医師の責任が否定された判決を2件ご紹介します。 No.186の事案では、本文でご紹介した争点に加え、遺族からは、経膣分娩の実施にあたり、頚管切開を行ったことが多量の出血を生じた原因であり、止血措置を講じなかったという主張もなされましたが、裁判所は、行政解剖の結果によっても、頚管...

2011年3月 9日
No.187「分娩に際し、クリステレル圧出法を実施したところ、4日後に子宮脱ないし子宮下垂を発症。医師の過失を否定し妊婦の請求を棄却した一審判決を維持し、患者の控訴を棄却した高裁判決」

広島高等裁判所平成22年6月17日判決 判例タイムズ1333号214頁 (争点) 患者にクリステレル圧出法の適応はあったか クリステレル圧出法についての説明義務違反はあったか 医師に手技上の過失はあったか 手技と子宮脱発生との因果関係 (事案) Xは、分娩のためY医師が経営するY医院に入院し、Y医師...

2011年3月 9日
No.186「胎児が死亡し、帝王切開ではなく経膣分娩で急速遂娩を行った後、妊婦がDICを原因とする出血性ショック及び多臓器不全によって死亡。市立病院の医師の対応に過失はないとし、遺族の請求を棄却した地裁判決」

水戸地方裁判所土浦支部平成13年11月20日判決 判例タイムズ1185号 282頁 (争点) 医師は、患者が早剥を発症していることの診断を遅延し、患者に対し、早剥とこれに伴うDICの進行予防、症状改善のために必要な治療処置を怠った事実があったか 医師が急速遂娩の方法として、帝王切開によらずに経膣分娩...

2011年2月 3日
選択の視点【No.184、185】

今回は、医師の経過観察義務違反が認められた判決を2件ご紹介します。 No.184の事案では、亡くなった患者は死亡当時69歳の女性でした。そして、逸失利益の算定にあたり、就労可能性があったとして、基礎収入を平成14年の賃金センサスをもとに年収を300万円と認め、就労可能年数を7年(ライプニッツ係数5....

2011年2月 3日
No.185「自転車運転中に転倒・骨折し、救急搬送された患者が、入院中に骨折部位からの出血による血腫の増大により窒息死。医師の検査義務違反、経過観察義務違反を認め、遺族の請求を認めた地裁判決」

前橋地方裁判所平成22年4月30日判決 判例時報2083号122頁 (争点) 医師に注意義務(過失)はあったか (事案) A(当時72歳の男性)は、平成17年(以下、同年については省略)4月9日午後2時40分ころ、自転車運転中の転倒事故により、左鎖骨骨折、左肋骨骨折等の傷害を負い、救急車でY社団法人...

2011年2月 3日
No.184「内視鏡的逆行性膵胆管造影検査後、患者が急性膵炎を発症し3日後に死亡。市立病院の担当医師の経過観察義務違反を認め、遺族の請求を認容した地裁判決」

長崎地方裁判所佐世保支部平成18年2月20日判決 判例タイムズ1243号235頁 (争点) 医師の経過観察義務違反等の有無 医師の過失と患者の死亡との間の因果関係の有無 (事案) 患者A(本件当時69歳の女性)は、平成14年(以下、同年については省略)8月3日17時ころ、胃の痛みのため、Y市が設置・...

2011年1月11日
選択の視点【No.182、183】

今回は、患者に対する行動制限(抑制・身体拘束)に関連した判例を2件ご紹介いたします。 No.182は、術後せん妄による転落死にいたった患者の遺族から、患者について体幹・両上肢の抑制を実施すべきであったという主張が大学病院側に対してなされた事案です。 裁判所は、大学病院の「行動制限(抑制・拘束)に関す...

2011年1月11日
No.183「入院中の高齢患者がせん妄の症状を発症して興奮状態となったところ、看護師らがミトンを用いてベッドに患者の身体を約2時間拘束。看護師らの行為を違法として損害賠償責任を認めた高裁判決を破棄し、患者の遺族の請求を全て棄却した最高裁判決」

最高裁第三小法廷平成22年1月26日判決 判例タイムズ1317号109頁 (争点) 看護師らがAに対して行った身体抑制は違法か (事案) A(当時80歳の女性)は、平成15年(以下、平成15年内の日付については年を省略)6月20日以降、両側胸部痛を訴えてB病院整形外科に入院していたが、7月16日、入...

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