医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2011年7月 8日
No.194「大学病院で黄斑上膜手術を受けた患者に、術後、視力低下、頭痛などの症状が発生。術中の医師の過失を認め、大学病院側に賠償を命じた地裁判決」

東京地方裁判所 平成18年7月28日判決 判例タイムズ1253号222頁 (争点) 医師に過失はあったか 転院の際の個室料負担額は損害に含まれるか 鍼灸、カイロプラクティック及び指圧費用は損害に含まれるか (事案) X(手術当時60代の男性、年商約530億円の会社の社長)は、平成4年ころから左眼の視...

2011年6月 3日
選択の視点【No.192、193】

今回は手術に際しての麻酔管理の過失が認められた判決を2件ご紹介します。 No.192の事案では、裁判所は、「外科医師が外科手術に際し、麻酔管理を他の医師に委ねるのは、自己が手術に専従できるようにするためであり、特段の事情のない限り麻酔は外科手術の補助的手段である。麻酔担当医師は、術者である外科医師の...

2011年6月 3日
No.193 「子宮筋腫摘出術を受けた患者が、脳機能障害により死亡。麻酔担当看護師及び執刀医の過失を認めて遺族への損害賠償を命じた地裁判決」

東京地裁平成7年4月11日判決 判例時報1548号79頁 (争点) 患者Aの死因 B看護師の過失の有無 Y医師の過失の有無 (事案) 患者A(本件当時39歳の女性)は昭和52年5月22日、Y医師の開設するY産婦人科医院で第三子を出産したが、昭和60年11月29日、腹部腫瘤感を訴え再度来院し、超手拳大...

2011年6月 3日
No.192 「胃切除術後の患者に脳神経障害が発生。麻酔医の過失が認定され、病院の使用者責任が認められたが、外科医の責任は否定された地裁判決」

新潟地裁 平成6年5月26日判決 判例タイムズ872号263頁 (争点) 麻酔の管理に過失はあったか 担当外科医Y2医師に過失はあったか (事案) 患者A(昭和60年死亡時48歳の男性)は、農業に従事するかたわら村の農業協同組合に勤務していたが、昭和59年5月30日、労働福祉事業団(以下Y1)の経営...

2011年5月10日
選択の視点【No.190、191】

今回は、自然医学療法を受けていた患者に対する損害賠償義務が認められた判決を2つご紹介いたします。 両事案とも、患者は、当該医師の自然医学療法に関する著書を読んで、受診をしています。そして、両事案とも、自然医学療法以外の治療をしなかったことについての責任は問いませんでしたが、No.190では説明義務違...

2011年5月10日
No.191「自然医学療法を治療方針とする開業医の治療を受けていた慢性腎炎の患者の病状が急速に悪化。開業医に転医を推奨すべき義務があったとして損害賠償を命じた地裁判決」

仙台地方裁判所平成13年2月13日判決 判例タイムズ1179号286頁 (争点) Yに薬物療法を実施する義務があったか Yに転医推奨義務があったか Yの過失とXの損害との因果関係 (事案) X(昭和43年生まれの男性)は平成6年5月、ひどい頭痛と倦怠感を感じたためT病院を受診したところ慢性糸球体腎炎...

2011年5月10日
No.190「自然医学療法を治療方針とする開業医の診療を受けていた乳癌患者が死亡。患者の病状を把握した上で実施する自然医学療法の内容及び治療成績等について説明する義務を怠った点に医師の過失を認め、損害賠償を命じた地裁判決」

東京地方裁判所平成12年3月27日判決 判例タイムズ1058号204頁 (争点) 社会通念上一般的ではないと考えられる特殊な治療法を実施する医師が負う義務 医師の過失と患者の死亡との因果関係 (事案) Y医師は患者本人の体質及び病状にあった食餌箋を処方し、患者はこれに従った規則正しい自宅療養をすると...

2011年4月11日
選択の視点【No.188、189】

今回は、美容整形外科手術における説明義務違反が認められた判決を2件ご紹介します。 No.188の事案では、判決の別紙(これについては判例タイムズ等の掲載誌をご参照下さい)として「診療経過一覧表」及び「説明経過一覧表」が添付されており、「診療経過一覧表」には、「年月日」、「診療経過(入通院状況・主訴・...

2011年4月11日
No.189「美容整形のための下顎骨切除手術につき医師の説明義務違反を認め、損害賠償請求を命じた地裁判決」

東京地方裁判所平成13年7月26日判決 判例タイムズ1139号219頁 (争点) 下顎骨を削る手術についての説明義務違反があったか 下顎骨が過大に切除されたか オトガイ神経が損傷されたか (事案) X(手術当時54歳の女性)は、自分の頬の膨らみが気になるようになっていた折、Y医院を開設するY医師が輪...

2011年4月11日
No.188「陰茎にシリコンボールを挿入する美容形成手術を受けた患者に変形の後遺症。術後の包帯の巻き方に関する医師の指導・説明義務違反を認め、患者の請求を一部認めた地裁判決」

東京地方裁判所平成13年7月5日判決 判例タイムズ1089号228頁 (争点) 手術前の説明義務違反はあったか 医師自身が包帯を交換する義務はあったか 包帯の巻き方についての指導・説明義務違反はあったか (事案) Xは、平成11年(以下、同年については省略)1月7日、Y医師が経営するY美容外科に赴き...

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