医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2012年2月13日
No.209「開業医が前期破水後入院した妊婦を総合病院に転送したが、転送先病院で生まれた新生児に重度の障害。医師の早期の転送義務違反を否定して患者側の請求を棄却した一審判決を維持し、控訴を棄却した高裁判決」

広島高等裁判所岡山支部 平成22年3月18日判決 判例タイムズ1353号 185頁 (争点) 早期に妊婦を転送すべき注意義務の有無 (事案) Xは前期破水を起こしたため、平成15年3月22日午後零時、Y法人が設置し経営しているY産婦人科医院(以下、Y医院)に入院した。Y医院の医師はY医院の代表者H医...

2012年2月13日
No.208「頭蓋内出血が生じ、新生児に脳性麻痺等の後遺障害。患者側敗訴の一審判決を取り消し、医師に分娩後の転送義務違反を認めた高裁判決」

東京高等裁判所 平成13年5月30日判決 判例タイムズ1095号 225頁 (争点) 胎児に負担とならない方法で胎児の娩出を図るか、妊婦を高次医療機関に転送する義務があったのにこれを怠った過失の有無 患児の出生後、早期に新生児救命救急の施設を備えた病院に転送することを怠った過失の有無 (事案) 患児...

2012年1月13日
選択の視点【No.206、207】

今回は、がん患者に対する治験薬投与後、患者が死亡した事案で、病院側の責任が認められた判決(No.206)と否定された判決(No.207)をご紹介します。 No.206の判決では、治験薬を投与した県立病院勤務の医師につき、県の履行補助者として、患者の人権を尊重しつつ、専門医として要求される高度の知識、...

2012年1月13日
No.207「大学病院で、肺がんの治験薬投与から一ヶ月後に患者が死亡。当該治験薬の投与及び当該治験の説明に関する医師の注意義務違反を否定した地裁判決」

大阪地方裁判所 平成23年1月31日判決 判例タイムズ1344号180頁 (争点) 医師の注意義務(適正診療義務ないし説明義務)違反の有無 (事案) A(昭和9年生まれの男性)は、16歳で来日し、大学を卒業した後、複数の会社を設立し、代表取締役を務めるなどの活躍をし、B国立大学校から名誉工学博士の学...

2012年1月13日
No.206「県立病院で卵巣癌の患者に承認前の治験薬を投与したところ、約4ヶ月後に患者が死亡。担当医師の注意義務違反、インフォームド・コンセント原則違反等を認めた地裁判決」

名古屋地方裁判所 平成12年3月24日判決 判例時報1733号70頁 (争点) 注意義務違反の有無 インフォームド・コンセント原則違反の有無 (事案) A(当時45歳の女性)は、昭和63年4月19日、H病院において子宮筋腫と診断され、同月28日にその切除手術が行われたが、開腹の結果右卵巣に悪性腫瘍が...

2011年12月13日
選択の視点【No.204、205】

今回は、精神科・精神神経科の診察に関する判決を2件ご紹介いたします。No.204は患者遺族の請求が一部認められ、No.205では、患者の請求が全く認められませんでした。 No.204の判決は、患者が従前通院して治療を受けていた病院と自殺する直前に入院した病院のそれぞれの責任について、連帯責任ではなく...

2011年12月13日
No.205「精神神経科の医師が、患者に対し、「人格障害」であるとの病名を告知。これによりPTSD(外傷後ストレス障害)を発症したとする患者の請求を一部認めた控訴審を破棄し、医師の言動と患者の症状との間の相当因果関係を否定し、患者の請求を認めなかった最高裁判決」

最高裁判所第三小法廷 平成23年4月26日判決 判例タイムズ1348号92頁 (争点) 医師の言動と患者の症状との間の因果関係の有無 (事案) X(昭和38年生まれの女性)は、看護師として勤務していたが、改めて大学の法学部に進学するため退職し、大学卒業後の29歳頃から11年間にわたり町役場に勤務して...

2011年12月13日
No.204「精神病院に通院していた患者が他の精神病院に入院したが、入院の約5時間後の深夜に自殺。両病院の責任を認め、損害賠償の責任の範囲を別々に認めた高裁判決」

東京高等裁判所 平成13年7月19日判決 判例タイムズ1107号266頁 (争点) Y1病院の責任 Y2病院の責任 (事案) A(自営業・30代男性)が、ひどい頭痛と肩こりのため、平成5年2月8日にY1社会福祉法人が経営するY1病院精神科を訪れた。Y1病院のH医師は、当初は神経症と診断し、これに即し...

2011年11月 4日
選択の視点【No.202、203】

今回は、手術後に患者に生じた症状(No.202ではブドウ状球菌の繁殖、No.203では脊髄損傷)の原因について、具体的な特定がなされないまま(No.202では、A注射器具、B施術者の手指、C患者の注射部位のいずれかの消毒が不完全であったという選択的認定、No.203ではA手術機器の振動による脊髄損傷...

2011年11月 4日
No.203「交通事故により後遺症を負った患者の症状が、市立病院での手術後に悪化。医師の過失を概括的に認定し、患者の損害賠償請求を認めた高裁判決」

福岡高等裁判所 平成20年2月15日判決 判例タイムズ1284号267頁 (争点) 手術の際に脊髄を損傷させた過失を認定するにあたり、脊髄損傷の原因の具体的特定がどこまで必要か (事案) 交通事故の後遺症で四肢全体に重度の障害があったX(手術時68歳の鍼灸師の男性)が、Y市の開設するY病院において、...

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