医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2019年2月 7日
No.377 「脳内血腫吸引手術後に患者が死亡。医師が、抗菌薬(クラフォラン、ペントシリン)の投与による偽膜性腸炎の発生を疑わず、抗菌薬バンコマイシンの投与をせずに、止瀉剤ロペミンの投与を継続したとして医師の過失を認めた地裁判決」

広島地方裁判所平成9年11月19日判決 判例タイムズ994号 224頁 (争点) 患者が死亡に至った機序及び死因 患者の担当医師が偽膜性腸炎に対する適切な治療を行わなかった過失の有無 (事案) 平成3年3月2日(以下、平成3年における月日の表記において年を省略する)午前11時ころ、A(当時64歳の男...

2019年2月 7日
No.376 「電気焼灼手術を受けた患者が、軟膏(ピリミジン拮抗性抗腫瘍剤)の副作用で潰瘍が広がり後遺症が残る。主治医の投与の方法が不適切とした地裁判決」

名古屋地方裁判所平成5年3月24日判決 判例タイムズ846号237頁 (争点) 軟膏の使用に関する医師の注意義務違反の有無 (事案) 昭和62年12月23日、X1(女性・会社員)はY1医療法人が経営する病院(以下、「Y病院」という。)に来院し、尖圭コンジローマ(以下、「本件疾患」という。)の治療のた...

2019年1月10日
選択の視点【No.374、375】

今回は、手術に伴う麻酔に関して病院側の責任が認められた事案を2件ご紹介します。 No.374の事案では、患者遺族は、小児骨折について医師が観血的手術選択した点も過誤である旨主張しました。しかし、裁判所は、左前腕橈骨尺骨の二本が骨端において完全骨折したもので、骨端骨折には速やかな整復が求められること、...

2019年1月10日
No.375 「子宮筋腫手術の前後に発症した脊髄クモ膜下出血により半身不随となった事故につき、麻酔科医に手術中止を申し出るべき義務違反を認めた地裁判決」

名古屋地方裁判所平成7年8月28日判決 判例タイムズ919号220頁 (争点) 麻酔科医の注意義務違反の有無 A医師の過失とXの後遺症との間の相当因果関係の有無 (事案) 昭和57年、X(昭和5年生まれの女性)は、A産婦人科で受診し、子宮筋腫との診断を受けたもののそのまま放置していたが、昭和59年1...

2019年1月10日
No.374 「骨折治療のため観血的整復手術を受けた女児が、局所麻酔薬中毒を原因とする全身痙攣による酸素供給不足が原因となって死亡。麻酔薬投与と全身痙攣発症後の処置につき医師の過失を認めた地裁判決」

静岡地方裁判所富士支部平成元年1月20日判決 判例タイムズ704号252頁 (争点) 局所麻酔薬の投与等についての過失の有無 全身痙攣発症後の処置についての過失の有無 (事案) A(事故当時小学校5年生・11歳の女児)は昭和60年6月15日午後3時30分頃(以下、特別の記載のない限り同日のこととする...

2018年12月 7日
選択の視点【No.372、373】

今回は、帝王切開後の病院の対応に過失が認められた判決を2件ご紹介いたします。 No.372の事案紹介にあたっては、掲載雑誌の発行会社のホームページ上で掲載されている判決全文も参考にしました。 同事案では、将来、患者が大学病院(控訴人が経営しています)を退院した後の介護費用について、一括支払いではなく...

2018年12月 7日
No.373 「妊娠高血圧症候群(PIH)の管理目的で入院した患者がHELLP症候群及び子癇を発症して死亡。県立病院に帝王切開後の管理の過失を認めた地裁判決」

名古屋地方裁判所平成21年12月16日判決 判例タイムズ1323号229頁 (争点) 帝王切開後の管理の適否 (事案) A(昭和50年生まれの女性)はN産婦人科で妊婦検診を受けるようになり、平成18年3月10日(以下、平成18年中の出来事については、原則として年の記載を省略する。)を分娩予定日として...

2018年12月 7日
No.372 「帝王切開後、患者がMRSAの院内感染による敗血症から心停止に陥り、低酸素脳症による重度の後遺症が残ったことについて、大学病院に抗MRSA抗生剤の投与に関する注意義務違反を認めた高裁判決」

東京高等裁判所平成21年9月25日判決 医療判例解説75号7頁(2018年8月号) (争点) 平成8年7月14日から同月17日朝までに、患者にMRSA感染治療として抗MRSA抗生剤(バンコマイシン)を投与すべき義務の有無 (事案) X1(昭和46年生まれの女性)は、平成8年6月19日(以下、特に記載...

2018年11月 8日
選択の視点【No.370、371】

今回は、脳動脈瘤のネッククリッピング手術における医師の操作ミスが認められた判決を2件ご紹介します。 No.370の事案では、病院側は、患者の脳梗塞の原因として脳血管攣縮、脳血栓または脳塞栓によるM1基始部の閉塞が考えられると主張しました。しかし、裁判所は、鑑定人が患者の脳梗塞につき、M2下行枝がクリ...

2018年11月 8日
No.371 「脳底動脈部脳動脈瘤のネッククリッピング手術を受けた患者に脳梗塞が出現し、脳ヘルニアとなり死亡。医師らに、患者の内頸動脈を損傷した過失や、血行再建を後回しにしてネッククリッピング手術を行った過失があるとして、市立病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

福岡地裁大牟田支部平成14年4月9日判決 判例タイムズ1138号221頁 (争点) 内頸動脈を損傷させた過失の有無 損傷された内頸動脈を長時間遮断させたままにした過失の有無 (事案) 平成5年5月29日午前7時頃、A(昭和12年生まれの女性)は、突然頭痛を訴え受診したS病院での頭部CT検査で、くも膜...

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