医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2019年5月10日
選択の視点【No.382、383】

今回は分娩に関連して、産婦人科医師の責任が認められた事案を2件ご紹介いたします。 No.382の事案では、医師は、分娩監視記録の上からは、過強陣痛をうかがわせるものはないことを理由に、子宮破裂の切迫兆候の発見はできなかったとして、監視義務違反はないと主張しました。 しかし、裁判所は、分娩監視装置は、...

2019年5月10日
No.383 「胎盤機能不全による非対称性発育遅延に陥った胎児が子宮内で死亡。産婦人科医師が、胎児の発育状態などを確認し適切な治療方法を採るべき注意義務に違反したとした地裁判決」

東京地方裁判所平成14年2月25日判決判例タイムズ1138号 229頁 (争点) 胎児の死因 産婦人科医師に注意義務違反が認められるか否か (事案) X1(昭和45年生まれの女性)は、平成11年(以下、特段の断りがない限り全て平成11年の出来事とする。)8月11日から、第一子の出産(出産予定日は9月...

2019年5月10日
No.382 「分娩誘発剤投与後、妊婦が子宮破裂。医師に医学的適応がないのに分娩誘発剤を使用した過失及び分娩監視義務違反を認めた地裁判決」

広島地方裁判所平成8年3月28日判決 判例タイムズ912号 223頁 (争点) X1の子宮破裂の原因が分娩誘発剤アトニン-Oの投与にあったか否か 子宮破裂・胎児仮死と出生児(A)の死亡との間の因果関係の有無 分娩誘発剤アトニン-O使用の適応の有無 分娩誘発剤アトニン-Oの投与量(特に増量の程度)の適...

2019年4月 9日
選択の視点【No.380、381】

今回は、眼の手術に関して病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.380の事案では、患者は、手術上の過誤も主張しましたが、裁判所は、手術担当医師らに過誤があったものとはみないが、その後2回も手術を重ね59日間も入院しなければならなかったことは患者の予期しないところであり、それは診察担当...

2019年4月 9日
No.381 「患者が眼瞼下垂手術を受けた後、緑膿菌感染により左眼を失明。細菌検査で原因菌が判明する以前に緑膿菌を疑って有効な治療行為を行わかなかった開業医の過失を認めた地裁判決」

鹿児島地方裁判所昭和62年3月27日判決 判例タイムズ637号175頁 (争点) 眼科開業医の医師に、細菌検査で原因菌が判明する以前に患者の緑膿菌感染を疑って、有効な治療行為を行うべき注意義務があったか否か (事案) X(手術当時30歳の女性)は、幼少時から高度の左右眼瞼下垂という疾病に罹患しており...

2019年4月 9日
No.380 「美容に重点がある右眼腫瘤摘出手術を行ったところ、患者(女子高校生)に肉芽腫及び眼瞼下垂が生じた。医師が患者に合併症について十分な説明を行わなかったとして国立大学病院側の責任を認めた事案」

京都地方裁判所昭和51年10月1日判決 判例タイムズ348号250頁 (争点) 医師の診断上の過失と説明義務違反の有無 (事案) X(女子高校生)は幼児より右眼眥に先天性の腫瘤があったが少し離れて見れば人が気がつかない程度のもので、そのため眼の活動に支障があったり拡大する傾向があったわけでものないの...

2019年3月 8日
選択の視点【No.378、379】

今回は、小児科医療における医師の過失を認めた裁判例を2件ご紹介します。 No.378の事案では、病院側が、未熟児室では細菌感染防止に十分の配慮がなされているので、未熟児室における生後感染は考えられないと主張しました。しかし、裁判所は、未熟児室内で、3名の担当医師がクベースの両面に2個ずつ開けられた穴...

2019年3月 8日
No.379 「国立病院入院中の幼児に装着された気管カニューレの抜去により、幼児が脳酸素欠乏症による高度中枢神経障害を起こしその後死亡。医師に気管カニューレ装着上の過失があったと推認した地裁判決」

東京地方裁判所平成元年3月29日判決 判例タイムズ704号244頁 (争点) 気管カニューレ装着に関する医師の過失の有無 (事案) A(昭和50年8月15日生)は、出生時、下側の食道と気管支とがつながっている下部食道気管瘻を有するグロスC型の先天性食道閉鎖症を伴っていたため、昭和50年8月18日と1...

2019年3月 8日
No.378 「総合病院の未熟児室に入院していた生後1ヶ月の未熟児が、細菌感染を起こして匐行性角膜潰瘍・穿孔により左眼失明。病状の早期発見・早期治療を怠った未熟児室責任者である小児科医長の過失を認めた地裁判決」

大阪地方裁判所昭和50年4月25日判決 判例タイムズ327号268頁 (争点) 早期発見・早期治療を怠った医師の過失の有無 (事案) X(事故当時生後1ヶ月)は出産予定日よりも72日早い昭和39年6月19日に出生した未熟児(生下時体重1510グラム)であったため、出生当日の午後1時30分、Y社会福祉...

2019年2月 7日
選択の視点【No.376、377】

今回は投与薬剤の副作用に関して病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.376の事案では、患者側は、患者の疾患(尖圭コンジローマ)に対する電気焼灼によりその部位の皮膚は一種の火傷状態になっていたのであるから、副作用の強い軟膏を使用すべきでなかったとも主張しましたが、裁判所は、患者の疾患...

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