医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2026年10月 9日
選択のポイント【No.560、561】

今回は、術式選択に関連して医師の過失が争点となった裁判例を2件ご紹介します。 No.560の事案では、裁判所は、判決中で、被告病院に設置された事故調査委員会が実施した医療事故調査の報告書を引用しています。そこには、被告病院の緊急時の医療体制に関し、(ア)急変時の相談機関として導入されているТ―ICU...

2026年10月 9日
No.561「同意を得た術式と異なる術式により手術を実施し、患者が硬膜下血種により左半身に麻痺が残存。病院の責任が認められた事案」

横浜地方裁判所令和7年7月16日判決 判例タイムズ1545号179頁 (争点) 手術においてNBCAを用いてTVEを実施したことが不法行為ないし債務不履行に当たるか否か *以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) ◇(平成30年1月当時33歳の女性・美容師)は、平成29年8月ごろ、めまい等を主...

2026年10月 9日
No.560「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を受けた84歳患者が出血性ショックにより死亡。適応を欠く手術をしたとして医師の注意義務違反を認めた地裁判決」

東京地方裁判所令和3年8月27日判決 判例時報 2542号70頁 (争点) 患者に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の適応があったか否か *以下、原告を◇1および◇2、被告を△と表記する。 (事案) A(死亡時84歳の男性)は、平成30年(以下、同年の出来事を指す場合には記載を省略する。)3月28日、...

2026年9月11日
選択のポイント【No.558、559】

今回は、病院側の注意義務違反と患者(受診者)の死亡との間の因果関係は否定されましたが、注意義務違反がなければ(注意義務を尽くしていれば)患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性があったと認定した判決を2件ご紹介します。 No.558の事案では、患者遺族側(控訴人ら)は、平成22年...

2026年9月11日
No.559「肝細胞癌の疑いのある患者にEOB造影MRI等の検査を実施していたならば、患者が死亡時点においてなお生存していた相当程度の可能性を肯定し、病院に損害賠償を命じた地裁判決」

東京地方裁判所令和6年9月13日判決 判例タイムズ1531号170頁 (争点) 本件注意義務違反がなかったならば患者がその死亡の時点においてなお生存していたであろうことを是認し得る高度の蓋然性があるか(これが認められれば、注意義務違反と死亡との間の因果関係が肯定される) 仮に1が認められないとしても...

2026年9月11日
No.558「胃がん検診における注意義務違反と受診者死亡との因果関係は否定したが、注意義務を尽くしていれば、受診者が死亡時において生存していた相当程度の可能性があった判断をした高裁判決」

東京高等裁判所平成30年9月26日判決 ウェストロージャパン (争点) (注意義務違反1) △2医師は、平成22年内視鏡検査に関して、更に病理組織検査を実施すべき注意義務があったのに、これを怠ったか否か (注意義務違反1の2) △2医師は、平成22年内視鏡検査の当日(平成22年2月15日)か、遅くと...

2026年8月 7日
選択のポイント【No.556、557】

今回は、説明義務違反が争点となった裁判例を2件ご紹介します。 No.556の事案では、病院側は、患者が植皮手術を受けなかった蓋然性は認められず、また、でん部を採皮部とする手術を選択する合理性もないから、説明義務違反と本件手術との間の相当因果関係はないと主張しました。しかし、裁判所は、本件手術は一刻を...

2026年8月 7日
No.557「県立病院整形外科の医師がミエログラフィー(脊髄造影検査)を実施したところ、患者に脊髄損傷に伴う左下肢麻痺等の障害が残存。一審と同じくL1/2の穿刺を行ったことについての過失と説明義務違反を認めた控訴審判決」

大阪高等裁判所令和6年7月5日判決 医療判例解説(2025年2月号)114号51頁 (争点) 医師にミエログラフィーの際にL1/2に穿刺を行ったことにつき過失があったか否か 医師に説明義務違反があったか否か *以下、原告を◇、被告を△と表記する。5個の腰椎(第1~5腰椎)については、それぞれ...

2026年8月 7日
No.556「頭皮を採取して腋窩部に移植する分層植皮手術において、患児に禿髪が生じる。医師の手技上の過失は否定されたが、説明義務違反が認められた地裁判決」

福島地方裁判所いわき支部令和2年3月12日判決 ウェストロージャパン (争点) 医師に手技上の義務違反があったか否か 説明義務違反及び因果関係があったか否か *以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) ◇(平成19年生まれの男性・本件手術当時3歳)は、平成22年2月1日、誤ってシチューをこぼし...

2026年7月10日
選択のポイント【No.554、555】

今回は、歯科医師が業務上過失致死罪で有罪となった刑事事件の判決を2件ご紹介します。 No.554の判決紹介にあたっては、一審判決(東京地裁平成25年3月4日判決。判例時報2190号133頁)も参考にしました。一審判決の量刑の理由として、被告人(歯科医師)は、かなりの症例数を誇るインプラント治療の専門...

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