今回は、院内感染に関する判例をご紹介します。
ところで、紹介の中では割愛していますが、判決主文では、「訴訟費用の負担」についても判断が示されますNo.48の判決では、訴訟費用の10分の9を原告負担、10分の1を被告負担としています。No.49の判決では、訴訟費用の4分の1を原告負担、4分の3を被告負担としています。
民事訴訟法第61条は、「訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする」、同法67条1項本文は「裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における訴訟費用の全部について、その負担の裁判をしなければならない」、同法71条は「訴訟費用の負担の額は、その負担の裁判が執行力を生じた後に、申立てにより、第一審裁判所の裁判所書記官が定める」と、それぞれ規定しています。つまり、判決では負担割合を決めますが、実際の金額は、判決が確定して執行力が生じた後に、別途の申立てがなされてから書記官が決めることになります(訴訟費用額確定のための申し立てまではしないケースもままあります)。
ここでいう「訴訟費用」とは、訴状に貼る印紙代、旅費・日当・書類の送料等で、弁護士費用は含まれません。
今回ご紹介する2つの判決のように、原告と被告とが訴訟費用を分担して負担する場合というのは、原告の請求が一部認められたときに、請求額と認容額との比率に対応して定められることが多いようです。