医療判決紹介:最新記事

2020年の記事一覧

2020年12月10日
選択の視点【No.420、421】

今回はリウマチの治療法に関し、医師の過失が認められた裁X判例を2件(1件は治療薬の副作用、もう1件は、喘息治療に転用された冷凍療法がそれぞれ問題となりました)ご紹介します。 No.420の事案では、医師本人は、裁判所での尋問で、注射をする度ごとに、副作用のXについて問診をしたと供述しましたが、裁判所...

2020年12月10日
No.421 「気管支喘息の患者が冷凍療法実施の際に喘息発作により死亡。医師に健康状態精査・発作に対処する体制整備・症状悪化防止措置・救命措置それぞれを怠った過失が認められた事案」

東京地方裁判所平成3年9月27日判決 判例タイムズ774号247頁 (争点) 冷凍療法を実施する医師の責任の有無 (事案) A(死亡当時60歳のフランス人・パリ在住のレストラン経営者)は、昭和54年ころから気管支喘息で苦しみ、フランスで治療を受けていたところ、通称「**リウマチ**病院」(以下、「Y...

2020年12月10日
No.420 「慢性リウマチの患者に対し、シオゾールを投与し副作用で患者が全身脱毛。医師に投与開始時の説明指示義務・各注射時の問診診察義務・投与中の尿、血液検査義務の違反を認めた地裁判決」

横浜地方裁判所昭和63年4月22日判決 判例時報1303号 108頁 (争点) シオゾール投与における医師の注意義務違反の有無 (事案) 昭和55年2月頃、X(当時61歳の主婦)は、身体中の筋肉に軽い痛みを覚え、同年3月14日、Y医師の経営する整形外科(以下、「Y医院」という。)でY医師の診察を受け...

2020年11月 9日
選択の視点【No.418、419】

今回は、美容整形に関して医師の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.418の事案では、医師による治療を怠ったことも債務不履行であると認定されました。しかし損害については、裁判所は、そもそも、脱毛治療として被告病院が行っていたところのものは、患者に施された2つの方法の他にはより簡略なものが1...

2020年11月 9日
No.419 「脂肪吸引手術を受けた患者の臀部に凹凸・非対称が生じたのは、医師が2回目の手術で必要以上の多量の脂肪を吸引したからだとして、病院側の過失が認められた事案」

東京地方裁判所平成8年2月7日判決 判例時報1581号 77頁 (争点) 脂肪吸引手術をした医師の責任の有無 (事案) X(昭和36年生まれの沖縄在住の独身女性・看護師として稼働)は、昭和63年当時、雑誌に掲載されたY医師の経営する医院(以下、「Y医院」という。)の脂肪吸引手術についての記事を読んで...

2020年11月 9日
No.418 「多毛症の人に対し、永久脱毛の困難等についての説明がないまま看護師による脱毛治療を3年余り継続。医師の説明義務違反につき損害賠償(治療費と慰謝料)を命じた地裁判決」

名古屋地方裁判所昭和56年11月18日判決 判例タイムズ462号 149頁 (争点) 医師に説明義務違反があったか否か 損害額 (事案) X(初診時28歳の独身女性)は、23、4歳ころより、自分の脚部が他の女性に較べ毛深いことに気付き、それ以来これを気にしてきたことから、昭和49年夏ころ、専門医のも...

2020年10月 9日
選択の視点【No.416、417】

今回は、産婦人科医の不法行為責任が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.416の事案で、医師は、薬剤(イトリゾール)処方時に催奇形作用の説明をしなかったことにつき、患者が初診時に結婚以来避妊していたと述べたため、その後も避妊し続けると考えたこと、患者には排卵障害があり妊娠しないと判断したことか...

2020年10月 9日
No.417 「常位胎盤早期剥離の疑いが濃厚な状況にもかかわらず、宿直医が早期に帝王切開を行わなかった結果、胎児が出産直前に死亡。宿直医の過失隠ぺい行為なども考慮して高額の慰謝料を含む損害賠償を命じた地裁判決」

東京地方裁判所平成14年12月18日判決 判例タイムズ1182号295頁 (争点) 宿直医の診療上の過失の有無 逸失利益及び慰謝料 (事案) X1は、平成9年12月2日にY1医師の開設する産科・婦人科病院(以下、「Y病院」という。)で診察を受け、平成10年8月6日に出産予定と診断された。 平成10年...

2020年10月 8日
No.416 「催奇形性作用について説明されることなくイトリゾールを処方され服用した女性が妊娠し、やむなく人工妊娠中絶手術に至ったとして、産婦人科医に薬剤の副作用についての説明義務違反が認められた事案」

大阪地方裁判所平成14年2月8日判決 判例タイムズ1111号163頁 (争点) 説明義務違反の有無 慰謝料額 (事案) X(昭和47年生まれで、平成10年4月に結婚した女性)は、平成11年3月19日、生理不順による不正出血を理由として、Y医師(産婦人科医)の経営するクリニック(以下、「Yクリニック」...

2020年9月10日
選択の視点【No.414、415】

今回は、どこまでが医師の過失と相当因果関係のある損害なのかが争点となった裁判例を2件ご紹介いたします。 No.414の事案では、交通事故の加害者及び車両の所有者は、事故被害者である患者に対して、逸失利益や後遺障害慰謝料等の損害賠償として、連帯して2870万5217円の支払が命じられましたが、交通事故...

2020年9月10日
No.415 「ショートステイ利用者が付き添いなしに口腔ケアを行った際に、転倒して右大腿骨頸部を骨折し、その約半年後、誤嚥性肺炎により死亡。介護事業者に安全配慮義務違反があったとしつつ、死亡との因果関係は否定し、骨折の治療費等や慰謝料の損害賠償を命じた地裁判決」

さいたま地方裁判所平成30年6月27日判決 判例時報2419号56頁 (争点) 安全配慮義務違反の有無 転倒事故と死亡との間の相当因果関係の有無 (事案) 平成20年11月23日、A(昭和25年生まれ・男性・加工会社勤務)は、脳内出血により右完全片麻痺が出現し、平成21年1月15日から同年6月9日ま...

2020年9月10日
No.414 「大学病院医師が、交通事故により負傷した患者に抜釘術を行う際、内側足底神経を刺激ないし損傷した過失があるとして、患者の精神的苦痛との間の因果関係を認め、交通事故との共同不法行為は否定した地裁判決」

東京地方裁判所平成19年9月27日判決 ウエストロー・ジャパン (争点) 医師の過失の有無 医師の過失と患者の損害との間の相当因果関係の有無 交通事故と医療過誤との共同不法行為の有無 (事案) 平成8年12月25日午後3時10分ころ、X(事故当時54歳)が横断歩道を青信号に従...

2020年8月 6日
選択の視点【No.412、413】

今回は定期健康診断での過失により患者に生じた損害のうち、逸失利益が争点となった事例を2件ご紹介いたします。 No.412の事案では、患者(国際線パイロット)は、再就職後も67歳の定年まで1200万円の年収が確保されているとして、再就職後の減収分についても後遺症による逸失利益として請求しましたが、裁判...

2020年8月 6日
No.413 「定期健診の胸部レントゲン写真上に異常所見があったのに、別人の検査票に記入した過失により、肺癌の発見が遅れ、患者が死亡。過失がなければ平均余命まで生存できた高度の蓋然性があったとして逸失利益が算定された地裁判決」

仙台地方裁判所平成18年1月26日判決 判例時報1939号92頁  (争点) 平成14年の検査の当時、肺癌がリンパ節に転移していたかどうか(平成14年に外科的治療を受けていれば何年間生存できたかどうかが、Aの逸失利益の算定に係わる) (事案) A(家事に従事する傍ら保険の外交員として稼働・女性)は、...

2020年8月 6日
No.412 「国際線パイロットが、定期健診の大腸検査で医師の過失により大腸に穿孔が生じたことにより、会社から国際線乗務を禁止されて収入が減少。病院側に減収分の逸失利益の損害賠償が命じられた地裁判決」

神戸地方裁判所平成16年10月14日判決 判例時報1888号122頁 (争点) 医師の過失の有無 逸失利益の有無 (事案) 平成13年7月26日(以下、特別の断りのない限り同年のこととする)、X(当時51歳の男性・機長)は定期健診の一環として、Yの開設する病院(以下、「Y病院」という。)内科において...

2020年7月10日
選択の視点【No.410、411】

今回は、交通事故後の入院治療中に患者が死亡した場合に医師の過失が認められた事案を2件ご紹介いたします。 No.410の事案では、病院側(被告医療法人)は、患者遺族(原告)に対し、患者の剖検を勧めたにもかかわらず、遺族がそれを拒否したため、病院側は過失がなかったことを証明する手段を遺族らによって奪われ...

2020年7月10日
No.411 「交通事故により外傷性くも膜下出血等の傷害を負い、病院で治療を受けていた患者が急性膵炎により死亡。医師に適切な治療を怠った注意義務違反があったとして地裁判決の結論を維持した高裁判決」

福岡高等裁判所平成13年8月30日判決 判例タイムズ1131号202頁 (争点) 医師の注意義務違反の有無 (平成4年10月19日に行ったO医師の治療における過失の有無) 医師の注意義務違反と患者死亡との因果関係の有無 (事案) A(死亡当時17歳の男子高校生)は、平成4年10月7日(以下、特別の断...

2020年7月10日
No.410 「交通事故により腓骨骨折等の傷害を負った患者が、入院中の病院にて肺塞栓症により死亡。医師の診療義務違反の過失を認め、事故時の運転手と医師を雇用する医療法人との共同不法行為を認めた地裁判決」

浦和地方裁判所平成12年2月21日判決 判例タイムズ1053号188頁 (争点) 病院医師に過失があったが否か 交通事故を発生させた運転手の過失と医師の過失との間に共同不法行為が認められるか否か (事案) 平成4年3月22日(以下、特別の断りがない限り同年のこととする)、午前3時40分頃、A(27歳...

2020年6月10日
選択の視点【No.408、409】

今回は、産(婦人)科の医師の過失が認められた判決を2件ご紹介いたします。 No.408の事案では、病院側は患者(産婦)が癒着胎盤(胎盤の絨毛が子宮筋層内に侵入し、胎盤の一部または全部が子宮壁に強く癒着して、胎盤の剥離が困難なもの)ではなく、付着胎盤(胎盤が子宮壁に付着しているが、筋層との結合が密では...

2020年6月10日
No.409 「医師の血糖値測定義務違反と新生児が低酸素性虚血性脳症を発症したこととの間に因果関係を認めて、一審判決を変更し、病院側に損害賠償を命じた高裁判決」

大阪高等裁判所平成31年4月12日判決 判例タイムズ 1467号71頁 (争点) 血糖値測定義務違反と後遺症との間の因果関係の有無 (事案) X(男児)平成22年12月18日午前8時12分頃、Y医療法人の運営する産婦人科専門病院(以下、「Y医院」という。)において、自然分娩により娩出された。Y医院で...

2020年6月10日
No.408 「癒着胎盤にもかかわらず、分娩直後に胎盤を用手剥離した結果、患者に下垂体前葉機能低下症(シーハン症候群)の後遺障害が残存。病院に損害賠償を命じた地裁判決」

神戸地方裁判所平29年5月23日判決 判例タイムズNo.1468 225頁 (争点) 用手剥離における注意義務違反の有無 用手剥離における注意義務違反とシーハン症候群発症との因果関係の有無 患者の後遺障害の程度 (事案) X(昭和46年生まれの女性)は、平成18年4月26日、卵巣チョコレート嚢胞、子...

2020年5月12日
選択の視点【No.406、407】

今回は、手術後の処置・管理につき病院側の過失が認められた判決を2件ご紹介します。 No.406の事案では、患者遺族は、病院が脳腫瘍(髄芽腫)に罹患した患者(三歳児)に化学療法としてカルボプラチン単剤を投与して、補助療法を施さなかった点にも過失があると主張しました。 しかし、裁判所は、カルボプラチンは...

2020年5月12日
No.407 「クローン病治療のため回腸結腸吻合部の切除術を受けた患者が、術後、出血性ショックを起こし、脳に重篤な障害が残ったことにつき、大学病院側に対し、出血性ショックの可能性を念頭に置いた術後管理を怠った過失を認めた高裁判決」

福岡高等裁判所平成31年4月25日判決 判例時報2428号16頁 (争点) 術後管理の過失の有無 (事案) X1(1971年生まれの男性・歯科医)は、平成13年8月、慢性、難治性の炎症性疾患であるクローン病(小腸大腸型)を発症し、平成14年4月22日、学校法人Y1大学の開設・運営する病院(以下、「Y...

2020年5月12日
No.406 「三歳児が脳腫瘍摘出手術を受けた後、MRSAによる化膿性髄膜炎に罹患し死亡したのは、市立病院の医療関係者らが患部の消毒や被覆について適切な処置を講じなかったためとして市の過失を認めた地裁判決」

大阪地方裁判所平成13年10月30日判決 判例タイムズ1106号187頁 (争点) 脳腫瘍摘出手術後、患者を髄膜炎(MRSA)に感染させた過失の有無 (事案) A(死亡時3歳の乳児)は、平成4年10月に出生し、平成5年3月以降、鼻汁、咳、喘息、中耳炎等の症状を訴えて、Y市の経営・管理する病院(以下、...

2020年4月15日
選択の視点【No.404、405】

今回は、医師の過失と患者に生じた後遺障害・損害との因果関係が争点となった裁判例を2件ご紹介します。両事案とも誤診・見落としに関する医師の過失(注意義務違反)については当事者間に争いがない事案です。 No.404の事案では、入院期間(394日)中の患者の妻の付添看護費(患者の請求は日額3000円)につ...

2020年4月15日
No.405 「国立大学病院心療内科の医師らが頭部CT検査報告書中の脳腫瘍疑いの指摘を見落して脳腫瘍を放置した過失と、患者が後医で受けた脳腫瘍摘出術後に生じた後遺障害との因果関係を認めた地裁判決」

福岡地方裁判所令和1年6月21日判決 判例時報2428号118頁 (争点) Y病院診療内科医師らの過失と後遺障害との因果関係の有無 (事案) X(平成元年生まれの女性)は、平成18年10月26日、Y国立大学法人の設置、運営する病院(以下、「Y病院」という。)心療内科に入院し、同月30日、頭部CT検査...

2020年4月15日
No.404 「市立病院で 患者の化膿性椎間板炎を腰椎椎間板ヘルニアであると誤診したことにより、適切な治療がなされず患者に後遺障害が生じたことにつき、将来介護費を含む損害賠償を認めた地裁判決」

名古屋地方裁判所平成28年11月25日判決 医療判例解説2018年2月号(第72号)72頁 (争点) 医師の注意義務違反により生じた損害の額 (事案) 平成23年4月22日、X1(昭和40年生まれの男性)は、腰痛を訴えて、W整形外科を受診し、ボルタレン座薬及び腰傍脊椎神経ブロックを施されたが、腰痛が...

2020年3月10日
選択の視点【No.402、403】

今回は気管切開カニューレに関連して病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介いたします。 No.402の事案では、裁判所は、患者が心静止に陥った原因については、カニューレにティッシュを詰められたことによる窒息以外の機序があり得ないとまではいえないとしながら、カニューレに詰められていたティッシュが事故後...

2020年3月10日
No.403 「国立大学病院で患者が気管切開カニューレから痰の吸引を受けた際に容態が急変し、低酸素脳症による遷延性意識障害の後遺症を負う。吸引時のアセスメント実施義務違反の過失を認めた地裁判決」

東京地方裁判所平成31年1月10日判決 判例時報2427号32頁 (争点) 看護師らが気管吸引時にアセスメントを実施し、監視することを怠った過失の有無 看護師らの過失と患者に生じた結果(遷延性意識障害と低酸素脳症)との因果関係 (事案) X1(本件事故当時、20歳で薬学部2年生の男性)は平成23年8...

2020年3月10日
No.402 「入院中の患者のカニューレにティッシュが詰められ、患者が心肺停止に陥りその後死亡。患者遺族の請求を棄却した地裁判決を取り消して、病院の損害賠償責任を認めた高裁判決」

大阪高等裁判所平成30年9月28日判決 判例時報2419号5頁 (争点) 病院の医療従事者が患者に装着されていた気管切開カニューレにティッシュペーパーを詰めた後、ティッシュを除去することを失念して放置した過失があるか 患者の心静止の原因 (事案) 患者A(昭和19年生まれの男性)が、平成23年6月1...

2020年2月10日
選択の視点【No.400、401】

今回は、手術に際して患者の神経が損傷された事案を2件ご紹介します。 No.400の紹介にあたっては、一審判決(静岡地裁平成28年3月24日・ウエストロー・ジャパン)も参考にしました。 No.401の紹介にあたっても、一審判決(札幌地裁平成30年2月7日・ウエストロー・ジャパン)も参考にしました。 N...

2020年2月10日
No.401 「大学病院で右第2CM関節固定術及び骨移植の手術を受けた患者につき、医師の過失により橈骨神経が損傷したと認定した高裁判決」

札幌高等裁判所平成30年7月20日判決 ウエストロー・ジャパン (争点) 医師が手術の際に、神経を損傷したと認められるか否か (事案) X(手術当時40歳の女性)は、右手背に固い隆起ができ、平成23年夏頃から右手母指周囲から右手背にかけて痛みが生じるようになった。 平成24年1月25日、Xは、Y公立...

2020年2月10日
No.400 「点滴ルートの確保のために左腕に末梢静脈留置針の穿刺を受けた患者が複合性局所疼痛症候群(CRPS)を発症。看護師が、深く穿刺しないようにする注意義務を怠った結果、橈骨神経浅枝を損傷したと認定した高裁判決」

東京高等裁判所平成29年3月23日判決 第一法規法情報総合データーベース (争点) 看護師に、穿刺行為の際に深く穿刺しないようにする注意義務を怠った過失があるか (事案) 平成22年12月19日、X(昭和51年生まれの女性)は翌20日に甲状腺右葉半切除手術(以下「本件手術」という。)を受けるため、日...

2020年1月10日
選択の視点【No.398、399】

今回は、手術の手技上の過失が認められた事案を2件ご紹介します。 No.398の事案では、病院側は、患者の死因は心筋梗塞と主張しました。しかし、その主張の根拠である、「患者の容態急変後の心電図によればST波の上昇があった」という点について、裁判所は、(1)ST波の上昇を認識した麻酔担当外科医師に遅れる...

2020年1月10日
No.399 「脳腫瘍切除術中に内頸動脈から出血が生じ、患者に脳梗塞並びに左片麻痺と失語の症状が生じた。大学病院の執刀医に、内頸動脈付近まで手術を行った過失を認めた事案」

神戸地方裁判所平成19年8月31日判決 判例時報2015号104頁 (争点) 内頸動脈付近まで手術を行った過失の有無 (事案) X(昭和15年生まれの専業主婦)は、平成10年4月ころから、頭痛やめまいが生じており、同年5月初旬には歩行障害が生じるようになっていた。 そこで、Xは、同年5月27日、Yが...

2020年1月10日
No.398 「右腎臓摘出手術を受けた患者が術後、大量出血により死亡したのは、執刀医師による腎動脈の結紮が不十分であったことによるものとして病院側に損害賠償を命じた判決」

東京地方裁判所平成14年9月30日判決 判例タイムズ1135号242頁 (争点) Aの死因とその原因について Yの責任の有無 (事案) 平成9年2月25日、A(死亡当時76歳の男性・保険会社代理店店主及び太極拳の指導員)は、J医師の紹介により、Yの開設する病院(以下「Y病院」という)泌尿器科外来を受...

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