2018年の記事一覧
- 2018年12月 7日
- 選択の視点【No.372、373】
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今回は、帝王切開後の病院の対応に過失が認められた判決を2件ご紹介いたします。 No.372の事案紹介にあたっては、掲載雑誌の発行会社のホームページ上で掲載されている判決全文も参考にしました。 同事案では、将来、患者が大学病院(控訴人が経営しています)を退院した後の介護費用について、一括支払いではなく...
- 2018年12月 7日
- No.373 「妊娠高血圧症候群(PIH)の管理目的で入院した患者がHELLP症候群及び子癇を発症して死亡。県立病院に帝王切開後の管理の過失を認めた地裁判決」
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名古屋地方裁判所平成21年12月16日判決 判例タイムズ1323号229頁 (争点) 帝王切開後の管理の適否 (事案) A(昭和50年生まれの女性)はN産婦人科で妊婦検診を受けるようになり、平成18年3月10日(以下、平成18年中の出来事については、原則として年の記載を省略する。)を分娩予定日として...
- 2018年12月 7日
- No.372 「帝王切開後、患者がMRSAの院内感染による敗血症から心停止に陥り、低酸素脳症による重度の後遺症が残ったことについて、大学病院に抗MRSA抗生剤の投与に関する注意義務違反を認めた高裁判決」
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東京高等裁判所平成21年9月25日判決 医療判例解説75号7頁(2018年8月号) (争点) 平成8年7月14日から同月17日朝までに、患者にMRSA感染治療として抗MRSA抗生剤(バンコマイシン)を投与すべき義務の有無 (事案) X1(昭和46年生まれの女性)は、平成8年6月19日(以下、特に記載...
- 2018年11月 8日
- 選択の視点【No.370、371】
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今回は、脳動脈瘤のネッククリッピング手術における医師の操作ミスが認められた判決を2件ご紹介します。 No.370の事案では、病院側は、患者の脳梗塞の原因として脳血管攣縮、脳血栓または脳塞栓によるM1基始部の閉塞が考えられると主張しました。しかし、裁判所は、鑑定人が患者の脳梗塞につき、M2下行枝がクリ...
- 2018年11月 8日
- No.371 「脳底動脈部脳動脈瘤のネッククリッピング手術を受けた患者に脳梗塞が出現し、脳ヘルニアとなり死亡。医師らに、患者の内頸動脈を損傷した過失や、血行再建を後回しにしてネッククリッピング手術を行った過失があるとして、市立病院側に損害賠償を命じた地裁判決」
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福岡地裁大牟田支部平成14年4月9日判決 判例タイムズ1138号221頁 (争点) 内頸動脈を損傷させた過失の有無 損傷された内頸動脈を長時間遮断させたままにした過失の有無 (事案) 平成5年5月29日午前7時頃、A(昭和12年生まれの女性)は、突然頭痛を訴え受診したS病院での頭部CT検査で、くも膜...
- 2018年11月 8日
- No.370 「中大脳動脈ネッククリッピング手術後に患者に脳梗塞が発症。執刀医にクリップの先端が他の血管を挟んでいないかどうかの確認を怠った過失等を認めた地裁判決」
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京都地方裁判所 平成12年9月8日判決 判例タイムズ1106号196頁 (争点) 動脈瘤の基部以外の血管をクリップで挟んだことに関する過失の有無 M2上行枝にキンク(ねじれ)を生じさせたことに関する過失の有無 (事案) X(症状固定時69歳の女性)は、平成8年11月27日、Y1医療法人の開設する脳神...
- 2018年10月10日
- 選択の視点【No.368、369】
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今回は、内臓損傷を受けて搬送された後、死亡した患者への治療につき、搬送先病院・医師の注意義務違反・過失が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.368の事案では、病院側は、高所から転落した患者を救急患者として受け入れるに至った経緯について、当時満床であったことから、他の総合病院や大学病院の救命救...
- 2018年10月10日
- No.369 「交通事故により負傷した患者が病院搬送後、心筋梗塞により死亡。腸管損傷の疑いが否定できなかったにもかかわらず開腹手術実施を遅らせた医師の過失を認めた地裁判決」
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広島地方裁判所平成11年3月29日判決 判例タイムズ1069号226頁 (争点) 開腹手術実施が遅れた過失の有無 医師らの過失と患者死亡との因果関係の有無 (事案) 平成6年6月25日午後5時50分ころ、A(死亡当時72歳の男性)は飲酒の上で軽四輪自動車を運転していた際、普通乗用自動車との正面衝突事...
- 2018年10月10日
- No.368 「高所から飛び降り、救急指定病院に搬送された患者が、大学病院へ転送された後胸腹腔内臓器損傷により死亡。救急指定病院の当直医には異常所見を見落とす等の注意義務違反が認められるが、救命可能性が低いことから死亡との因果関係は否定して、救急指定病院側に患者両親に対する慰謝料の支払を命じた判決」
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東京地方裁判所平成11年2月24日判決 判例タイムズ1072号216頁 (争点) 救急指定病院医師の診療契約上の注意義務違反の有無 損害 (事案) 平成3年6月7日夜、A(当時29歳の女性)は、自宅から外出し、同月8日午前0時過ぎころ(以下、特段の断りのない限り平成3年6月8日のこととする)、飛び降...
- 2018年9月 6日
- 選択の視点【No.366、367】
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今回は、周産期医療における医師の過失が認定された事案を2件ご紹介します。 No.366の事案では、分娩監視記録が胎児仮死状態と整合するか否かにつき、争いがありました。裁判所は、12時11分ころから14時17分ころまでの記録については、3人の鑑定の結果で、1人目が「遅発一過性徐脈が継続して認められる」...
- 2018年9月 6日
- No.367 「常位胎盤早期剥離から産科DICを発症し妊婦が死亡。遺族の請求を棄却した一審判決を変更して、医師らに産科DIC防止に関する過失、ショックに対する治療に関する過失、出血量チェック及び輸血に関する過失があるとした高裁判決」
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東京高等裁判所平成28年5月26日判決 判例タイムズ1441号42頁 (争点) 常位胎盤早期剥離発症時における産科DIC防止に関する過失の有無 産科DIC及びショックに対する治療に関する過失の有無 (事案) A(身長164cmの女性)は、Y医療法人の運営する病院(以下、「Y病院」という。)の産婦人科...
- 2018年9月 6日
- No.366 「新生児仮死の状態で出生した子が、重症酸素性脳障害の後遺障害を負い、その後、気管狭窄のため死亡。医師に胎児仮死遷延回避義務違反を認めた地裁判決」
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福岡地方裁判所平成18年1月13日判決 判例時報1940号140頁 (争点) 新生児仮死発生の機序 胎児仮死遷延回避義務違反 胎児仮死遷延回避義務違反と損害との因果関係 (事案) 平成4年9月1日、X1は、Y医療法人の開設する産婦人科(以下、「Y医院」という。)で、Y医療法人の理事長でもあるH医師の...
- 2018年8月10日
- 選択の視点【No.364、365】
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今回は、薬剤投与に関する医師の過失が認められた事案を2件ご紹介します。 No.364の事案では、動脈管の閉鎖予防に有効なパルクスの点滴静注中止について、病院側は、代わりにプロスタルモンの経口投与を継続したので問題はないと主張しました。しかし、裁判所は、プロスタルモンは、一般に妊娠末期における陣痛誘発...
- 2018年8月10日
- No.365 「国立大学病院で脳血管造影検査を受けた患者が脳出血を起こし死亡。検査中に患者に異常が認められたにもかかわらず、検査を続行し、血栓溶解剤ウロキナーゼを合計2回にわたり48万単位投与した医師の過失を認めた高裁判決」
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高松高等裁判所平成14年8月29日 判例時報1816号 69頁 (争点) 検査を実施した医師の責任の有無 (事案) A(当時82歳の男性・個人商店経営)は、子とともに、平成6年6月15日、国の設置する大学病院(以下、「Y病院」という。)脳神経外科外来を受診した(以下、特別の記載のない限り同年のことと...
- 2018年8月10日
- No.364 「大学病院で、ファロー四徴症に対する姑息手術を受けた0歳児が動脈血酸素飽和度の低下により死亡。動脈管閉鎖への対応措置を怠った医師の過失を認定した地裁判決」
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東京地方裁判所平成13年7月5日判例タイムズ 1131号 217頁 (争点) 患者が死亡するに至った機序 患者の死亡は病院医師の過失によるものであるか否か (事案) 平成6年7月21日、A(女児・出生体重2195グラム)は、Y学校法人が開設・経営するY大学医学部附属Y病院(以下「Y病院」という。)で...
- 2018年7月10日
- 選択の視点【No.362、363】
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今回は、手術の適応判断に関する医師の過失が認められた高裁判決を2件ご紹介いたします。 No.362の紹介にあたっては、一審判決(松山地裁平成15年9月16日判決・判例タイムズ1200号258頁)も参考にしました。 No.362の事案では、控訴人病院側は、患者に施した一連の心蘇生術の手技は、ACLS(...
- 2018年7月10日
- No.363 「カテーテルアブレーションを受けた患者が術後脳梗塞を発症し重大な後遺症が残ったことについて、医師の過失を否定した地裁判決を破棄し、医師に血栓を疑わせる所見がないことを確認する注意義務を尽くさなかった過失を認めた高裁判決」
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名古屋高等裁判所平成29年7月7日判決 判例時報2349号 34頁 (争点) カテーテルアブレーションを実施する医師の注意義務違反の有無 (事案) 平成22年7月10日、X(本件施術当時63歳の男性)は、Eクリニックにおいて持続性心房細動、心不全等の診断を受けた。(以下、平成22年の事柄については、...
- 2018年7月10日
- No.362 「県立病院での経皮的冠動脈形成手術(PTCA)終了直後に、患者に急性冠閉塞が起こり、低酸素脳症に陥りその後死亡。冠動脈バイパス手術(CABG)を第一選択とすべき義務や、急変後速やかに経皮的心肺補助装置(PCPS)を装着すべき義務を怠った過失を認めた高裁判決」
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高松高等裁判所平成16年7月20日判決 判例タイムズ1200号 254頁 (争点) 術式選択における過失の有無等 (事案) 平成8年7月5日、A(57歳男性)はY県が開設する病院(以下、「Y病院」という。)の内科医であるBの外来診察を受け、不安定狭心症と診断され、同年10月2日には、心臓カテーテル検...
- 2018年6月 7日
- 選択の視点【No.360、361】
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今回は、市立病院における医師の注射や手術において、注射位置が適正でなかったことや、手術部位を誤認したことにつき、病院側の責任が認められた事案を2件ご紹介します。 No.360の事案では、患者側は、後遺障害逸失利益の請求もしましたが、裁判所は、患者の左肩に残存した後遺障害(患者の疼痛は、相当程度に軽減...
- 2018年6月 7日
- No.361 「市立病院で、手術部位の誤認により、固定する必要のない椎間を固定。患者主張の障害は否定したが、慰謝料及び弁護士費用の損害額を一審よりも増額した高裁判決」
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大阪高等裁判所平成27年9月3日判決 ウェストロー・ジャパン (争点) 固定する必要のない椎間を固定したことによって患者に生じた障害 (事案) X(症状固定時44歳の女性)は、平成18年9月4日、Y市が設置・運営する病院(以下、「Y病院」という。)において、第6・第7頸椎間(以下「C6/7」という。...
- 2018年6月 7日
- No.360 「医師が子宮頸がん予防ワクチンを適正位置より高い位置に注射した過失により、患者に左肩関節炎が発症。市立病院側に損害賠償を命じた地裁判決」
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福岡地方裁判所小倉支部平成26年12月9日判決 医療判例解説第60号(2016年2月)58頁 (争点) 医師が肩峰三横指下の位置に行うべき子宮頸がん予防ワクチンの接種を、それより高い位置(肩峰一横指下の位置)に打ったか否か (事案) X(昭和38年生まれの女性)は、平成22年頃、子宮頸がん予防ワクチ...
- 2018年5月10日
- 選択の視点【No.358、359】
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今回は、説明義務違反が認定された事案を2件ご紹介します。 No.358の事案では、心臓カテーテル検査と患者右足の血管閉塞、足趾切断との因果関係も争点となりました。 裁判所は、患者が検査前から両足尖部のしびれや痛みを訴えており、検査前には右足により強い間欠性跛行を訴えていたこと、転院先での手術の際に得...
- 2018年5月10日
- No.359 「都立病院で看護師の誤投薬により入院患者が死亡。院長の遺族に対する説明義務違反を認めた高裁判決」
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東京高等裁判所平成16年9月30日判決 判例時報1880号 72頁 (争点) 院長の説明義務違反の有無 (事案) 平成11年1月8日、A(女性)は、関節リウマチにより左中指疼痛及び腫脹が増強したため、東京都(一審の相被告)の開設するY病院整形外科を受診した。診察の結果、慢性関節リウマチ治療のために左...
- 2018年5月10日
- No.358 「閉塞性動脈硬化症と診断されていた糖尿病患者が心臓カテーテル検査を受けた後、血管閉塞が生じ、右足趾全部切断に至る。医師には検査により血栓症になる危険性についての説明義務違反があるとした地裁判決」
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大阪地方裁判所平成14年11月29日判決 判例時報1821号 41頁 (争点) 心臓カテーテル検査の適応の有無 心臓カテーテル検査についての説明義務違反の有無 (事案) X(事件当時67歳の男性・会社代表者)は、昭和41年(35歳)ころ、糖尿病と診断され、平成9年5月、糖尿病性腎症のため、A大学附属...
- 2018年4月 9日
- 選択の視点【No.356、357】
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今回は、重度の新生児仮死の状態での出生につき、病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.356の事案では、裁判所は、慰謝料の判断にあたり、新生児が自発呼吸もできないままに死亡時までNICU(新生児集中治療室)に入院しており、両親が我が子として手に取ることさえなく、妊娠期間よりも生存期間...
- 2018年4月 9日
- No.357 「重症新生児仮死の状態で出生し、重度の後遺障害が発生したことにつき、医師に低酸素状態を原因とする脳性麻痺の後遺障害を回避するために急速遂娩を検討・実行すべき義務違反があったとして、病院に対し、子と両親合計で1億8000万円以上の賠償を命じた地裁判決」
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高知地方裁判所平成 28年12月9日判決 判例時報2332号 71頁 (争点) 急速遂娩の準備及び実行をすべき義務を怠った過失の有無 (事案) X2(X1の母・初妊婦)は出産日の前日(妊娠39週2日)の午前7時45分頃、破水したため、午前8時45分頃、Yの運営する病院(以下、Y病院という)を訪ねた。...
- 2018年4月 9日
- No.356 「子宮破裂後の分娩で重症新生児仮死に陥った新生児が約7ヶ月半後に死亡。帝王切開後の経膣分娩を試みた医師に継続監視を怠り子宮破裂の徴候を見落とした過失があるとした地裁判決」
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福島地方裁判所平成25年9月17日判決 判例時報2213号83頁 (争点) 帝王切開後の経膣分娩(VBAC)における医師の過失の有無 (事案) Xは平成21年1月に、Y医師の経営するYマタニティ・クリニック(以下、Yクリニックという)において長男を帝王切開により出産した。 退院の際、XはYクリニック...
- 2018年3月 9日
- 選択の視点【No.354、355】
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今回は患者が死亡した事案で、病院側の転送義務違反が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.354の事案では、裁判所は、医師らが患者に心筋梗塞の既往症が有ることを十分に了知した上で受け入れて脳内出血の治療を開始し、入院後も顕著な心筋梗塞の発作が発現していたものである以上、初期の治療目的が専ら脳内出...
- 2018年3月 9日
- No.355 「再入院中に大動脈解離で患者が死亡。典型的な症状を示していたのに大動脈解離と診断せず、手術が可能である医療機関に転送しなかったことにつき注意義務違反を認めた地裁判決」
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名古屋地方裁判所平成16年6月25日判決 判例タイムズ1211号 207頁 (争点) 転医義務違反の有無 (事案) 平成10年1月11日(日曜日)午前9時30分ころ、A(66歳の男性)は、入浴中に咽頭部から下顎部にかけて及び胸部にちくちくした痛みを感じ、次第に息苦しさや胸痛も出てきたため、午後0時3...
- 2018年3月 9日
- No.354 「心筋梗塞の既往歴を有する患者を脳内出血の治療目的で受け入れた病院で、患者が死亡。医師に患者の病状を把握し、心疾患の専門医療機関への転院の処置等をしなかった過失があるとした地裁判決」
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東京地方裁判所平成6年6月8日判決判例タイムズ879号 230頁 (争点) 医師らの転医義務違反の有無 (事案) A(大正14年生まれの男性)は昭和56年から心臓を患い、昭和57年12月には心筋梗塞のため心疾患の専門医療機関であるB研究所に3ヶ月にわたって入院し、その後も概ね1、2ヶ月に一回程度の割...
- 2018年2月 8日
- 選択の視点【No.352、353】
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今回は、手術後の経過観察義務違反や検査義務違反が認められた事案を2件ご紹介します。 No.352の事案では、患者(専業主婦)は肛門括約筋の受傷時から完治までの間、ガス漏れや大便漏れ(月2回ないし3回程度)のため買物や散歩のための外出を控えざるを得なかったとして、裁判所は、患者が肛門括約筋断裂により労...
- 2018年2月 8日
- No.353 「日帰りで内痔核根治術を受けた患者が4日後に敗血症により死亡。手術3日後の救急搬送時に血液検査を行わず、その後の血液検査結果からも患者の状態が重篤と判断しなかった医師らの過失を認めた地裁判決」
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千葉地方裁判所平成28年3月25日判決 医療判例解説63号(2016年8月号)79頁 (争点) 救急搬送による入院時に血液検査を行わなかった過失の有無 Y3医師が血液検査から重篤であると判断しなかった過失の有無 (事案) 平成22年1月20日、A(昭和24年生まれの女性・主婦・平成11年にゴム輪結紮...
- 2018年2月 8日
- No.352 「出産後の肛門括約筋断裂につき、会陰切開後の創部感染によるものとして、医師の経過観察義務違反を認定した地裁判決。」
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京都地方裁判所平成3年12月5日判決判例タイムズ788号 252頁 (争点) 経過観察義務違反の有無 (事案) X(分娩時29歳の女性・専業主婦)は、昭和59年4月21日午前6時頃、Y医師の開設、経営する産婦人科病院(以下、Y病院という)に入院し、同日午前6時30分第一子を、同36分第二子をそれぞれ...
- 2018年1月10日
- 選択の視点【No.350、351】
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今回は、薬剤不投与に関する病院の過失が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.350の事案では、病院側は、当時は経口摂取中のビタミン補給に対する保険診療の査定が厳しかった旨主張しましたが、裁判所は、患者が厚生省(当時)の保険診療に関する運用通達が定める要件を充足しており、当該患者については高カロ...
- 2018年1月10日
- No.351 「サンディミュン投与による免疫抑制療法を行っていた再生不良性貧血患者に対して投与を中止したが、患者が死亡。サンディミュンの再投与が遅れたとして県立病院側の責任を認めた高裁判決。」
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仙台高等裁判所平成28年2月26日判決 医療判例解説70号62頁 (争点) サンディミュン再投与義務違反の有無 (事案) 平成6年7月4日、A(昭和26年生まれの女性)は、倦怠感などを訴え、Y県が設置・管理する病院(以下、Y病院という)で診察を受けたところ、7月6日、再生不良性貧血と診断された。 A...
- 2018年1月10日
- No.350 「手術後の高カロリー輸液療法中に患者が衝心脚気により死亡。医師がビタミンB1の混入投与を失念した過失があるとして、病院側に損害賠償を命じた高裁判決」
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大阪高等裁判所平成13年1月23日判決 判例時報1764号 70頁 (争点) 高カロリー輸液療法中に総合ビタミン剤投与を失念した医師の過失の有無 (事案) A(昭和9年1月生まれの女性)は、平成6年8月6日朝より腹痛、悪寒、嘔吐を訴えてY医療法人が経営するY病院に入院した。 Aは、小腸が以前の虫垂炎...
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