今回は、東京大学法学部において2002年以来行われてきたプロジェクト「生命工学・生命倫理と法政策」の成果として出版された書籍「生命倫理と法」をご紹介します。
本サイトの「スペシャリストに聞く!」コーナーに以前ご登場いただいた樋口範雄先生(第22回「医療の個人情報」)も編者のお一人になっています。
本書の22本の国境を越えた論稿には、臓器移植や尊厳死の問題に始まり、人工生殖、遺伝子研究など生命倫理が提起する新たな課題が網羅されています。
特色のひとつは、生命倫理に関する基本的な概念を改めて問い直す試みがなされていること。もうひとつは、法や法律家が生命倫理の問題に関わることの正当性と能力について検証していることです。
医療と法律の共通点、利益相反する点などについても論じられ、会員の皆様にとって興味のある分野だと思いますので、よろしければご参考になさってください。
(「はしがき」より抜粋)
この21世紀において、生命倫理や医療倫理の問題がいっそう重要性を増すことは間違いない。しかも、それらの問題に法や法律家が関与する場面が大きくなったことも確かである。これを医療の法化現象と呼ぶとすると・・・その原因は「医学・医療の進歩によって新たな問題が生起してきたこと」である。
生命倫理と法
|