最近よく、患者とともに行うリスクマネジメント、医療安全、という言葉が聞かれます。先日(平成17年6月)厚労省の医療安全対策ワーキンググループから出された報告書「今後の医療安全対策について」の中でも、当面取り組むべき課題として「患者、国民との情報共有と患者、国民の主体的参加の促進」が挙げられています。
そこで、今回は「患者と減らそう医療ミス」という図書をご紹介します。
本書は、医療に関する情報管理の専門家であるパトリスL.スパスらによる「Partnering with Patients to Reduce medical errors」の日本語訳です。
「安全な医療業務とは何か」などについて数人の患者に実際にインタビューした結果や、患者-医療者間のコミュニケーションを妨害するブロック行動の例、実際に患者参加を実践した病院のケーススタディなど、具体的な内容が記載されています。
本ネットワーク会員の皆様が、本書の中から「患者参加」の進め方についてヒントを見つけていただければ幸いです。
(「訳者はじめに」より抜粋)
本書には、良質の医療を安全に患者へ提供したいと真摯に願う医療者たちがもつであろう疑問や不安、悩みに対するヒントがぎっしりと詰まっている。
(「本文」より抜粋)
医療安全活動への患者参加の実際のメリットについては、多くの医師にとってもまだ未知の部分が多い。例えば、患者の視点が手術中の不注意なけがを防いだり、ガーゼの枚数が合わないことに気付かせてくれるとは思えないからだ。
今、医療者が求めているのは「いつ、どのようにして患者に参加を促すか」を決定するための具体的なプロセスである。医師やスタッフは、患者がどのように参加できるかについて考え、方向性を示す必要がある。
[目次]
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