これは、本ネットワークの会員の方から教えていただいた本です。早速事務局でも読んでみましたので、会員の皆様にご紹介します。
著者の勤務する東京都福祉保険局医療政策部は、都内病院について開設の許可や定期的な立ち入り検査を行っているところです。実際に指導にあたる立場から見た医療監視・指導の実際と医療機関の対応が事例を挙げて書かれています。
本書では、35項目にわたり、著者が実例を参考に再構成した(あくまでも架空の)事例が挙げられ、それぞれの最後に「今回の事例から学びたいポイント」が書かれています。
一部を抜粋して掲載させていただきますが、関心がある方は是非全事例をご覧いただきたいと思います。
(第1章-1 医療監視の目的と医療法の考え方)
今回の事例から学びたいポイント
- 医療監視をあら探しと誤解されている向きもありますが、そうではありません
- 医療監視は「良質かつ適切な医療を提供されることを目的として」行われます
- 医療監視の際の立ち入り検査を機に、ぜひとも、病院内の自主点検を試みてください
- 病院開設・増床を考えたときには、まず医療圏の基準・既存の病床数を確認しましょう
- 開設・増床の申請の仕方は地域により異なります。お確かめ下さい
(第1章-3 定例の立ち入り検査-検査の留意点-)
今回の事例から学びたいポイント
- 立ち入り検査は「最寄り駅」から始まっています
- カルテ、看護記録には記載者が必ず署名をしてください(責任の所在の明確化や無資格者による記録を防ぐという意味合いがあります)
- 病院職員の健康診断は100%受診をお願いします。医師や看護師は患者にいちばん近いところにいるのだと肝に銘じてください
- 衛生管理の基本は、手洗いにあり
(第4章-27 院内感染立ち入り検査の結果-管理体制・構造設備-)
今回の事例から学びたいポイント
- 院内感染予防対策委員会を設置しただけでなく、定期的に開催し、議事録整備も必要です
- 清潔ゾーンと汚染ゾーンを交差させないのが感染防止の基本です
- 病院・診療所の病原体状況を把握するサーベイランスも指導しています
著者:櫻山 豊夫 (目次)
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