読者から事務局にご提供いただいた新刊をご紹介します。
著者の「安全研究会」とは、現在、鉄道、航空、船舶、電力、医療、大学などの実務者や研究者を中心に約100名の会員からなる「会社や業界の垣根を超えて安全について情報を交換し、一緒に考えるネットワーク」とのことです。
本書には、この研究会のメンバーがそれぞれの所属する業界で培われた安全のノウハウ、失敗、そこから得た教訓などが語られています。
一部をご紹介します。
【コミュニケーションの失敗を防止する30の技術】
◆話し手の工夫
- 用語を統一する、標準的な用語を用いる
- 聞き間違いやすい用語の言い換えをする
- 数値には必ず単位を付ける
- 省略せずに正確に伝える
- 事実と推察を一緒にしない
〜(以下、6〜20略)〜
◆聴き手の工夫
- 相手の話を積極的に聴く
- 一刀両断で否定しない〜理由を尋ねる
- 先入観を排除して聴く
- 前例にこだわらずに聴く
- 聴き手は理解した旨を示す(復唱する)〜「了解」で終わらせない
- 疑問があれば確認する、意見は率直に言う
- マイナス情報には「ありがとう」と言う
◆話し手と聴き手、双方の工夫
- 同じ目の高さで会話する
- 間違いはすぐに訂正する
- 振り返りを行う
その他にも、錯覚、勘違い、言い間違いなど、多くの人が経験したことがあるような事例が紹介され、思わず、誰かに話したくなるような内容です。また、ところどころに「読者への問いかけ」として、読者の現場を振り返るポイントとなる質問もあります。読み進むうちに同じような思いをしている人がたくさんいることがわかり、読み終わる頃には、著者の言葉にあるように「安全担当は孤独ではない。全国に散らばっている安全屋とつながっている」という気持ちになれそうです。
ISBN: 978-4-303-73130-4 目次
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